英、EUと関係再構築へ 価値観共有を強調=草案文書

英国が欧州連合(EU)との関係再構築を目指し、広範な価値観の共有を表明する声明を用意していることが分かった。4月12日撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso)

[ブリュッセル 28日 ロイター] - 英国が欧州連合(EU)との関係再構築を目指し、広範な価値観の共有を表明する声明を用意していることが分かった。ロイターが入手した草案文書によると、英国はウクライナの領土保全のほか、気候変動対策の国際的な枠組み「パリ協定」や開かれた自由貿易への支持など、EUと共有する価値観を強調している。

英国のEU離脱(ブレグジット)から5年が経過。草案文書は新たな戦略的パートナーシップの「地政学的序文」として位置付けられるもので、英国とEUは5月19日にロンドンで開かれる首脳会議で合意を目指す。

草案文書はトランプ米政権を名指ししていないが、現在の米政権の政策と著しく異なる点が多い。

英国の草案文書は「ウクライナの独立と主権のほか、国際的に認証された国境内での領土保全に対する継続的な支援を再確認した」としているほか、「世界経済の安定を維持するという共通原則と、自由で開かれた貿易への相互のコミットメントを確認した」と明記。英国とEUが共にが多国間主義に取り組んでいることを改めて表明するものとなっている。

このほか「パリ協定が目標とする世界の気温上昇を1.5度以内に抑えることへの取り組みを継続する」としている。

トランプ米政権はパリ協定からの離脱を表明。また、ロシア・ウクライナ戦争の終結を巡る米国の提案には、ロシアによるクリミア支配の承認のほか、ロシアが実効支配するウクライナの4州の事実上の承認を求める内容が含まれており、欧州と見解の相違がある。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab

関連記事: