メモリ価格の高騰はスマホにも影響あり? スマホを買うべきタイミングはいつか
TrendForceの報道によると、海外ではDellやLenovo、HPといった世界シェアトップクラスのメーカーが、顧客に対し15%から20%の値上げを予告しているとのことで、その影響はさらに広がっていきそうです。 また、国内ではマウスコンピューターが2026年1月以降の価格改定を順次実施すると発表し、一部PC製品のWeb販売を一時停止する異例の措置を取っています。 マウスコンピューターだけではなく、日本のPC市場では値上げを見越した駆け込み需要により、サイコムやTSUKUMOなどのBTO各社が注文の殺到による出荷遅延を報告しています。
メモリ価格が高騰している最大の理由は生成AIブームですが、近年のPC・スマホ需要の落ち込みも影響しているようです。 2022年~2023年にPC・スマホの出荷台数が世界的に落ち込み、在庫過多となったことにより各社が生産を抑制したところへ、2024年以降の生成AIブームで、AI処理に特化したHBM(高帯域幅メモリ)の需要が爆発的に増加しました。 メモリメーカーであるSK HynixやMicronといった大手は、収益性の高いHBMの生産にリソースを集中しています。これにより、PCやスマートフォンなどに使われるコンシューマー向けのDRAMが不足してきています。また、SSDに使われるNANDフラッシュメモリの生産ラインもHBM向けに割り当てられたことで、SSDも供給不足に陥り、メモリと合わせて価格高騰が発生しています。 Reutersによると、DRAMのサプライヤーの平均在庫は、2024年末には13~17週間分あったものが2025年7月には3~8週間分に縮小し、さらに10月には2~4週間分まで低下しているとのことです。 メモリメーカーが新たな生産ラインを建設するには少なくとも2年かかるものの、現在の需要の逼迫(ひっぱく)が過ぎれば生産ラインが不要になる可能性もあり、新設には慎重な姿勢を示しているとも伝えられています。
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このメモリ高騰の波は、残念ながらスマートフォン市場にも及ぶ可能性が高いです。Counterpointによると、既にスマートフォンの部材コスト(BoM:Bill of Materials)は、メモリ価格の上昇により10~25%も上昇しているとのこと。特に影響が大きいのは、利益率が低い低価格帯のエントリーモデルで、このカテゴリーの部材コストは2025年年初から20~30%上昇しているとしています。 また、同社はメモリ価格が2026年第2四半期までにさらに40%上昇する可能性があるとも述べており、これに伴い部材コストは現在よりも8~15%以上増加すると見込んでいます。 部材コストの上昇は、当然ながら製品価格にも反映されることになりますが、低価格帯のスマートフォンは低価格であることが存在意義にもなっています。このため、製品価格に転嫁できず、低価格端末ではラインアップの縮小が始まっているとのことです。 価格上昇だけでなく、スペックダウンの懸念も現実味を帯びてきました。CounterpointのシニアアナリストShenghao Bai氏によると「一部のモデルでは、カメラモジュールやペリスコープソリューション、ディスプレイ、オーディオコンポーネント、そしてもちろんメモリ構成といったコンポーネントのダウングレードが見られる」とのこと。また、古いコンポーネントの再利用、ポートフォリオの合理化、消費者に(利益率が高く、コストを吸収しやすい)高スペックの「Pro」モデルを推奨し、アップグレードを促すための新デザインの採用なども挙げられています。 こうしたことを背景に、2026年のスマートフォン出荷台数は前年比で2.1%減少するとの予想もなされています。
世界最大のスマートフォンメーカーであるAppleも、このメモリ高騰とは無縁ではありません。Appleはこれまで、Samsung、SK Hynix、Micronの3社からメモリを調達してきましたが、ここにきてSamsungへの依存度を大幅に高めているとのことです。 韓国メディアは、Appleが「iPhone 17」シリーズに搭載されるLPDDR5Xメモリの調達において、Samsungが最大60~70%を供給すると報じています。これは、SK HynixやMicronがHBM生産に注力したことで、年間2億台を超えるiPhoneに必要な物量を確保できるのが、Samsungしかないという事情もあるようです。Appleは複数社から調達することで、価格交渉を有利に進めていたとされています。それがSamsung1社に傾くのは、それだけ切迫した異例の事態だといえそうです。 しかし、調達先を確保できたとしても、コストの上昇は避けられません。Appleのハイエンドモデルに搭載されるLPDDR5X(12GB)の価格は、既に2025年初めの30ドル台から70ドルまで値上がりしているとのこと。Appleは長期契約により短期的な価格変動の影響を受けにくいとされますが、この高騰が2026年も続けば、「iPhone 18」シリーズ以降の価格に何らかの影響が出ることは避けられないでしょう。