FRBウォラー理事、今月から複数回の利下げ必要との見解示す

Maria Eloisa Capurro

  • 関税によるインフレ警戒根強く、「状況見極めながら」
  • ウォラー氏は7月会合でも利下げ支持-悪化する雇用への対応主張

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は3日、米金融当局は今月から利下げを開始し、今後数カ月にわたり複数回利下げすべきだとの考えを示した。ただ、そのペースについては議論の余地があるとしている。米CNBCとのインタビューで発言した。

  ウォラー氏は「次回会合で利下げを始める必要がある。その後は決まった道筋を踏まなくてもいい。人々は関税によるインフレをまだ懸念しており、状況を見極めながら進めることができる」と語った。

  市場では、16-17日の連邦準備制度理事会(FOMC)で利下げが決定されるとの見方が広がっている。ただ、当局は依然として関税の経済的影響を見極めようとしている。関税がここ数カ月で物価を押し上げる一方、雇用は急速に減速し、2020年以来最も低い水準に落ち込んでいる。

  ウォラー氏は7月のFOMCで、金利据え置きに反対し、0.25ポイントの利下げを支持した。3日のインタビューでは、関税の影響が薄れる6-7カ月後には、インフレ率が目標に「かなり近づく」可能性が高いとの見方を示した。

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  ウォラー氏は、その場合、FRBは雇用市場の急激な悪化に先手を打つべきだと主張した。また、米国の政策金利は現在、景気を刺激も抑制もしない中立金利を上回っており、金融政策が経済を抑制しているとの見方を示した。

  同氏は「中立に近づきたいことは認識している。どれくらい利下げすべきかもおおよそ分かっていて、例えば100から150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)だ。ただ、その水準にどれだけの速さで到達するかは、入ってくるデータ次第になるだろう」と語った。

  ウォラー氏は、来年5月に任期満了を迎えるパウエルFRB議長の後任候補として政権が検討している人物の一人だ。ウォラー氏は3日、議長職についての面接はまだ設定されていないと述べた。

原題:Fed’s Waller Says He Favors ‘Multiple Cuts’ in Coming Months (1) (抜粋)

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