FOMCは「バランス重視」を、リスク下向き-セントルイス連銀総裁

Catarina Saraiva

  • ムサレム総裁、「やや引き締め的」な金利は現在の経済環境と整合
  • 労働市場は徐々に冷え込みながら、ほぼ完全雇用を維持へ-講演
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

米セントルイス連銀のムサレム総裁は3日、現在の経済環境において金利は良好な水準にあるとの認識を示した。

  「完全雇用の労働市場とコアインフレが連邦準備制度理事会(FRB)の目指す2%を1ポイント近く上回っている環境と、やや引き締め的な現行の政策金利は整合する」とワシントンのピーターソン国際経済研究所が開いたイベントで講演。発言内容は事前原稿に基づく。

  現時点では政策において「バランスの取れたアプローチ」を取ることが重要であり、労働市場の支援やインフレ抑制のいずれかに偏り過ぎるべきではないとムサレム総裁は述べた。

  9月16ー17日の連邦公開市場委員会(FOMC)では労働市場を支援するために利下げが望ましいと、複数の政策当局者が発言している。ムサレム総裁は先月下旬の時点で、9月利下げを判断するにはなおデータが必要だと述べていた。

関連記事:セントルイス連銀総裁、9月利下げ判断に追加データ必要-ロイター

  FOMCは今年、政策金利を据え置いている。関税など政府の政策変更がインフレに与える影響を見極めたいというのが、その理由だ。7月の雇用統計でそれまでの雇用減速が鮮明になり、利下げを支持する声が広がった。統計発表前に開催された7月FOMCでは、利下げを求めて理事2人が据え置き決定に反対票を投じた。

  「先行きを見通すと、労働市場は徐々に冷え込みながらも完全雇用に近い状態を維持するだろうが、リスクは下方向に傾いている」とムサレム氏は述べた。

原題:Fed’s Musalem Signals Policy in Good Place, Warns of Risks(抜粋)

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