坂本花織、SP首位発進後のジャンプ講座 かみ砕いて説明に「文字起こし頑張って(笑)」…全日本選手権女子SP

▽全日本選手権 女子SP(20日、大阪・東和薬品ラクタブドーム)

 全日本4連覇に臨む坂本花織(シスメックス)は、78・92点で首位発進。冒頭のダブルアクセル(2回転半ジャンプ)、後半の3回転フリップ―3回転トウループなど全てのジャンプを成功さえ、盤石の演技を披露した。演技後には連続ジャンプの成功の秘訣を明かし、報道陣に懇切丁寧に説明。胃腸炎から復活過程の中で「どんな状態でも跳べるようになった」と言う摑んだジャンプのコツを明かした。坂本のSP後の一問一答は、以下の通り。

 ―SPを終えて

「まずは、まぁノーミスでできたので。とりあえず大きなミスなくできたことは、ほんとに1番今、ほっとしています」

 ―GPファイナルを終えての演技

「んー、本当に1つ1つ、集中してできたと思うので。だいぶ、なんだろう、不安っていうのは、ファイナルよりはなくて。もう自信を持って今日は、いけました」

 ―シーズンベストまで0.01点だった

「えっと、自分の自己ベストにだんだん近づいてきてるなっていうのはすごく嬉しいですし、まぁそれでもやっぱ取りこぼしてる部分はまだあるので。まだ伸びしろがあるっていうのは、すごくやりがいがあります」

 ―4連覇のかかる全日本選手権へ

「もう本当に、見てる方も、自分自身も楽しめるように。精一杯全力で滑りたいなと思ってます」

 ―演技の前に先生と話してる中で、足をバタバタしていた

「うん、あの時はそう、『練習してきたから大丈夫』っていうのは言うてもらって。あとはもう、ちょっと、じっとしてたら足も固まってしまいますし、冷えてしまうので。ちょっと動かして待ってました」

 ―とてつもない緊張感になる大会になると言っていた。その緊張感は

「実際6分間(練習が)始まってから、本番が終わっても、やっぱり緊張感っていうのは全然あって。未だになんか、肩に力が入ってしまう感じがします」

 ―ファイナルからの技術的な違いは

「今まで、やっぱファイナルまでは、あの3―3(3回転フリップ―3回転トウループ)のところがやっぱり不安視してしまっていたので。なかなかやっぱり、決まる時もあるけど、どうしてもこう、失敗のイメージがあって。この1週間でちょっと飛べるコツを掴めて、それが今日しっかりできたので。練習した成果が出てよかったなと思います」

◆記者による囲み取材

 ―ジャンプは跳んでいる自分の感覚としては、どうだった

「結構3―3跳ぶ前とか、なんか何回か、ちょろ、ちょろちょろって、こう、なんかつまずきそうなとこは何回もあるぐらい、こう、緊張は足にも伝わってたんですけど。でも、そうですね。この1週間やってきたことが本当に大きかったかなって思うので、その成果が出てすごい今嬉しいです」

 ―急ピッチというよりも、なんとか間に合わせた

「うん、間に合わせたって感じです」

 ―人の顔が見えちゃうと言っていたが、今日の感じだと?

「今日は、そうですね、爆速でした。ハハハハ」

 ―勝ちにこだわる坂本は強いなと

「やっぱり勝ちに行こうって思った時ほど、やっぱ成績がいいなっていうのは、ほんとにこう、いろんな大会を経験してこう、気づけた部分でもあるので。それが今回、このファイナルから全日本に向けてのこの期間に、しっかり強気でいかないとなってい思い返すことができたので。すごくよかったです」

 ―演技前に、ロシアが来期、五輪に出る可能性がISUから発表された

「え!? このタイミングで!? えー」

 ―このタイミングで。1人だけ参加ということ

「ですよね」

 ―気持ちは

「えー。それはそれで、あのなんだろう。まだ以前みたいに、やっぱ以前は3人だったので。誰か、の、この間には入りたいっていう気持ちがやっぱあったので。その気持ちがこう、また復活するんだなって思うと、そうですね。めっちゃワクワクします。今、やっぱロシアだけじゃなくて、やっぱアメリカとか他の国も強いので。やっぱその強い選手がたくさんいる中で戦えるっていうのは、すごく自分は、めちゃくちゃ燃えます」

 ―勝負に対する欲がシーズン序盤よりもかなり出てきた?

「あの、なんか今回のショートは、ファイナルの時よりも自信を持っていけて、あんまりこう、不安だなっていうのとか、本当1週間前までイヤイヤ期やったとは思えないぐらい、今はすごい気持ちもスッキリしてて、跳べるコツをつかめたことがすごく大きかったなって思いました」

 ―イヤイヤ期はおわった?

「今は、今は(笑)」

 ―イヤイヤ期の原因は?「うーん、なんか、なんだろう。なんか曲なしでは跳べるんですけど、やっぱ曲があったらどうしてもこう、なんか、『できないかも』っていうのが、どうしてもこう構えの時点であったので。それが本当に良くないなっていうのをずっと思ってたんですけど。なかなか直せなくて。でも、この今回の大会に向けて、そのフィリップ―トウが、こうやったら跳べるっていうのが確実にわかったので、それがやっぱ自信にも繋がってるなすそれを知れたのは、すごくおっきな成長だなと思いました」

 ―跳べるコツとは

「あの、フィリップのコースがこうリンクがあったらこう行くじゃないですか。で、この左回りのこのカーブで行くんですけど、前向いてから。そのカーブに乗って、(そのまま)こう中に入ってしまうと、どうしてもこう、フィリップなので。左の腰がこう回りすぎて、なかなかバランスが取りにくくなってしまうんですけど。あえて、そのなんかカーブに乗らずに、ちょっと直進気味で行って、なんならこう(内に)入っていくんじゃなく。で、こっち。もう、文字起こし頑張って(笑)。あの対角線上に行くイメージで跳ぶと、いけるな。なんかその流れに逆らうと、流れに乗りすぎると、あんまり跳べなくて。むしろ逆らってる方がいけるなっていうのが、練習でこう掴めたので、それが、うん、良かったです。文字起こし頑張って(笑)」

 ―つかんだのは、いつ?

「いつやったかな。だから、ファイナル帰ってきてから、この全日本までの練習で、練習で気づいたんじゃなくて、トレーニングで。なんかこうしたらいいんじゃないの。っていうので気づいて、で、いざ実践したら、ほんとにこう、確率が上がっていったので。どんな状態でも跳べるようになったので、それがもうなんか自分は、にとってはもうすごく、成長だっていう感じでした」

 ―ルッツとは違う軌道?

「軌道は、だから、最近その曲の中でルッツが調子よくて。フィリップがそこまで調子良くなかったので。なんか、ルッツは意識しないとルッツにならないんですけど、フィリップは、無意識でもフィリップになる、インになるので。どんだけルッツの方向に進んでもフィリップになるので。あえて、このルッツと同じようなコースで行けば、最後エッジをインに倒したら、フィリップいけるな、みたいな」

 ―わかりやすい

「え、分かりました、分かりました?? 本当にもう、コースは一緒で。それが最後アウトにしっかり乗っとくのか、無意識にインに流れていくかの差です。ふふふふ」

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