FRBは9月まで利下げせず、米経済の見通しは悪化-エコノミスト
- 回答者の4分の3が12カ月以内の景気後退かゼロ成長を予想
- 9月と12月にそれぞれ0.25ポイントずつの利下げ-予想中央値
エコノミストは米経済の先行きに対して警戒感を強めているものの、2025年に米連邦準備制度理事会(FRB)が行う利下げは2回との見通しを維持している。
ブルームバーグが実施したエコノミスト調査で、回答者の4分の3が今後12カ月以内のリセッション(景気後退)またはゼロ成長を予想した。3月時点の26%から大きく上昇している。
一方で、政策金利の見通しについては、「9月と12月にそれぞれ0.25ポイントずつの利下げ」というのが予想中央値だった。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は5月6、7日の予定。
調査はトランプ米大統領が新たな関税政策を打ち出した後の4月25-30日にかけて実施された。
エコノミストは、関税、税制改革、移民制限、規制緩和などの政策が今後数カ月にインフレと失業率に与える影響に注目している。回答者の大半が、今後1年の間に物価安定と雇用最大化というFRBの2つの使命が衝突する「可能性が高い」または「やや高い」と答えた。
その場合のFRBの対応については意見が分かれ、25%は「利上げ・金利据え置きによってインフレに対処する」とし、32%は「景気支援のために利下げをする」と予想。43%は「当面は据え置きを維持し、後に景気悪化を受けて利下げをする」との見方を示した。
また、全ての回答者が、トランプ氏がパウエルFRB議長を解任しようとした場合には、市場が深刻な反応を示すと予想。
ほぼ3分の2が、大統領によるFRB議長解任は、深刻かつ持続的な市場の混乱、あるいは金融危機を引き起こすと予測した。残りの回答者も、一時的ではあるが深刻な市場の反応を招くと見込んでいる。
原題:No Fed Cuts Until September Despite Rising Risks, Economists Say(抜粋)