猛暑に朗報!勝手に家を冷却してくれる新素材をAIが作ってくれました

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人間の生活を豊かにするAI、いいね!

世界的な猛暑が続く今、ある研究チームが家の温度を勝手に下げてくれる3次元熱メタマテリアルの開発に成功しました。

この素材は、数々の選択肢のなかからAIが最適なものを選んで設計したもの。熱放射を調節することで、直射日光下で屋根の温度を下げる性質があるんだとか。省エネ効果も抜群で、住宅や衣類、宇宙技術など、幅広く応用が可能な万能素材になるかもしれません。

科学情報ニュースサイトのSciTech Dailyによると、今回の研究はテキサス大学オースティン校、上海交通大学、シンガポール国立大学、スウェーデンのウメオ大学の合同チームによるもの。複雑な3次元熱メタマテリアルを設計するための機械学習法を考案しました。

熱メタマテリアルとは、熱の放射を調節する物質のこと。そもそも、「メタマテリアル」というのは、自然界にある素材を超えるもの、という意味です。

研究者チームはAIを活用し、1,500種類以上の独自熱放出素材を生成。それを用いて、たとえば部屋の冷却や加温のエネルギー効率を向上させることに成功したのです。

本研究の共同リーダーであるYuebing Zheng氏は、研究論文が掲載されたNature誌において次のように話しています:

私たちの機械学習フレームワークは、熱放射メタマテリアルの設計が大きく飛躍したことを意味しています。プロセスを自動化し、設計空間を拡大することで、これまで想像もできなかった優れた性能を持つ材料を開発することができます。

今回の実験では、模型住宅の屋根にこの素材を塗布。一般的な塗料と比較して冷却能力を評価しました。その結果、正午に直射日光を4時間浴びた後でも、メタマテリアル素材を塗った屋根は、普通の屋根と比べて平均で5~20℃も涼しかったのだそう。

これを使えば、暑い都市の住宅や商業施設などでも冷房をガンガンかけなくても済むことになり、年間約1万5800kW/時の電力を節約できるほか、放出熱によるヒートアイランド現象を軽減できるのだそう。

さらに、繊維や布地に応用すれば、衣類やアウトドア向けアイテムに使えたり、自動車内の温度調節にも使えるかもしれません。ゆくゆくは、宇宙船内部の温度調節などでも力を発揮する可能性も。

勝手にキレイになってくれる光触媒の壁、とかは今もあるけど、勝手に涼しくなってくれる家なんて素敵。これからもAIと力を合わせて、よろしくお願いします!

Source: SciTech Daily

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