【西武】今井達也「初回なので絶望感を思わせるのは大事」ピンチで4番ソトを3連続直球で三振に
<西武7-0ロッテ>◇10日◇ベルーナドーム
西武今井達也投手(27)を今のところ、誰も止められずにいる。
22イニング連続無失点、HQS(投球回7以上で自責点2)を7試合連続、防御率リーグトップ、奪三振リーグトップ、被打率1割2分9厘-。
初回から圧倒的だった。2死二塁、相手は4番ソト。158キロ、158キロ、156キロ。全て直球で全て空振り。制圧的な奪三振だった。今井は振り返る。
「初回なので相手に、なんて言うんですかね、絶望感というか、無理だなって思わせられるのは大事だと思うので。基準になると思うので。初回にどれだけ今日の状態をイメージさせられるかだと思うんで」
158キロは今季の最速でもある。
「スライダーでの三振は多いんですけど、しっかりまっすぐでも三振、空振りが取れることもちゃんとできるよって分からせておかないと、回を追うごとにちょっときつくなってくるのかなとは思ってたんで」
そうしてアウトを重ね、気がつけば7回に。6回までに8奪三振。ふと思い出したという。
「ちょっと今日、記事で見まして。7回にあと2つ(三振を)取ったら初めて(の2試合連続2桁奪三振)なんだということで、全力で取りに行きました」
日刊スポーツの「西武今井達也、2戦連続2桁奪三振なら初」という見出しの記事を読んだのかと思われる。
そうやって強く意識しながら、本当に2桁奪三振をやってしまう。開幕から53イニングでいまだに適時安打も打たれていない。
「0で帰ってくることだけ考えて、古賀のミットめがけて思い切り投げてるだけだと思います」
どこが今井を止めるのか。それとも止められないのか。
「ファンの方もゆっくり休んで、明日万全の体調で球場へお越しください」
あえて強めの言葉で制圧ぶりを振り返った今井は、心優しいエースでもある。【金子真仁】