新型コロナ、研究所流出の「可能性がより高い」-CIAの見解変化

Natalia Drozdiak

  • CIAの新たな見解は、FBIや米エネルギー省の認識に一致
  • CIAの姿勢の変化は既存情報を綿密に精査した結果-米当局者

米中央情報局(CIA)は、新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)を巡り、ウイルスは自然発生というより、研究所から流出した「可能性がより高い」との見解を示した。どちらのシナリオもあり得るとしていた従来の見方からシフトしたことになる。

  米連邦捜査局(FBI)やエネルギー省は、世界中で700万人以上の死者を出した新型コロナのパンデミックについて、中国・武漢にある研究所から流出したウイルスが原因である可能性が高いとしており、CIAの新たな見解もそうした認識と一致する。米国の他の機関は、最初の感染は動物への自然な暴露が原因である可能性が高いと分析している。

  CIAの報道担当は25日の声明で、「新型コロナのパンデミックの起源を巡っては、CIAとしては利用可能な報告に基づき、自然発生よりも研究関連である可能性が高いと低い確信度で評価している」と述べた。

  報道担当は、CIAはどちらの起源説についても可能性の高いシナリオだと引き続き判断しており、そうした判断の変化につながり得る情報機関の報告やオープンソースの情報を評価していくと説明した。

  CIAの姿勢の変化は既存の情報をより綿密に精査した結果であり、新たに収集した情報が姿勢の変化につながったわけではないと、事情に詳しい米当局者は述べた。

  ワシントンにある中国大使館の報道担当は、CIAの報告は証拠に欠け、パンデミックの起源を政治的に利用したものだと述べた。

  報道担当は電子メールで、「新型コロナウイルスの起源は複雑な科学的問題だ。政治家が判断するのではなく、科学者や専門家が厳密かつ綿密な科学的研究を通じて答えを見つけるべきだ」と記した。

原題:CIA Shifts View on Covid-19 Cause to Lab Leak ‘More Likely’ (1)(抜粋)

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