ついに未知の銀河の撮影に成功! チリの巨大望遠鏡が稼働を開始

2014年8月1日、チリのアタカマ砂漠にあるセロ・パチョン山の頂上で、大規模シノプティック・サーベイ望遠鏡(LSST)の建設が開始された。 【画像】ルービン天文台が撮影した、未知の存在も含まれた銀河や恒星の画像 それから10年——LSSTは現在、暗黒物質の存在を証明する画期的な研究で知られるアメリカの天文学者にちなんで「ベラ・C・ルービン天文台」と名付けられ、いよいよ本格的な科学観測を始める準備が整った。 この天文台の主な任務は、「宇宙と時間のレガシー・サーベイ(the Legacy Survey of Space and Time)」(ややこしいことにこちらの略称もLSST)と呼ばれるプロジェクトで、これは今後10年間、夜空を絶え間なく観測し、その過程で視界に現れるあらゆる変化を記録していく。 ヴェラ・C・ルービン天文台(以下、ルービン天文台)はこの任務に特に適している。直径8.5メートルの主鏡、幅約3.4メートルの副鏡、そして史上最大のデジタルカメラを搭載したこの地上望遠鏡は、300トンもの本体をフルスピードで30秒で1回転させることができると、『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じている。ルービン天文台が来年1年間で収集するデータ量は、他のすべての光学天文台の合計を上回るだろう。控えめにいっても、今はとてつもなくエキサイティングな時代だ。 運用開始を記念して、天文台は望遠鏡が初めて撮影した画像を公開した。 「これらの画像は、ルービン天文台が天文学と宇宙への理解に革命をもたらすであろう前例のない能力を鮮やかに示している」と、英国サウサンプトン大学の天文学者マンダ・バネジー氏とフィル・ワイズマン氏は『The Conversation』誌に記している。 「ルービンは、感度の高さ、広大な観測領域、そして卓越した画像品質という独自の組み合わせによって画期的な存在だ」 これは地上天文学にとって、大きな節目となる瞬間。これまで地上からの観測は、ハッブル宇宙望遠鏡やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)といった宇宙望遠鏡による画期的な発見によって、地上天文学はしばしば影を潜めてきた。確かに、これらの宇宙望遠鏡には多くの利点があり、なかでも大気干渉や衛星の妨害(スターリンクなど)による煩わしさを回避できることが最大の魅力だ。しかし、それでもなお、地上望遠鏡のメリットは、そうした視覚的な不利をはるかに上回る。 まず、これらの地上望遠鏡はメンテナンスが簡易で、何よりも重要なのは、最新かつ最先端の技術にアップグレードできることだ。なぜなら、地球に設置されているからである。 さらに、打ち上げ時のペイロード(積載重量)制限がないため、地上望遠鏡は極めて巨大に設計することが可能となる。たとえば、同じくアタカマ砂漠で建設中の「エクストリームリー・ラージ・テレスコープ(Extremely Large Telescope)」という、まさにその名にふさわしい超大型望遠鏡を見れば、そのスケールがわかる。 比較の一例として、JWSTの近赤外線カメラの視野は約0.05平方度だが、ルービン天文台はなんと9.6平方度もの広さを誇る。つまり、ルービンの方が圧倒的に広い空を一度に観測できるということになる。さらにルービンは、他の望遠鏡が数年かけて撮影するような超高精細画像を、わずか数日で生成することが可能だ。 10年間のLSSTミッションの終了時には、ルービン天文台はダークエネルギーやダークマター(暗黒物質)の調査に欠かせない貴重なデータを提供するとともに、約200億の銀河に関する情報をもたらす。また、ルービンは80億を超える天体を800回以上にわたって観測し、夜空の進化を時系列で詳細に描いた天文映画のような映像を制作する。 特に注目すべきは、太陽系を移動する小惑星も捉えられることだ。天文台の推計によれば、LSSTは今後数年間だけで約500万個の小惑星を発見する見込みであり、これは人類が過去200年間に発見した数の5倍に相当する。 何十年もの歳月を経て、ついに本格的な科学観測が始まろうとしている。 「ルービン天文台は、約20年にわたる献身、革新、そして国際的なチームによる協力の集大成」と、ルービン天文台建設プロジェクトのディレクターであるジェリコ・イヴェジッチ氏は声明で述べている。 「建設が完了した今、私たちは空に完全に目を向けている——ただ画像を撮るためではなく、まったく新しい発見の時代を切り開くために」 出典:Popular Mechanics

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