米貿易赤字は縮小、輸出が増加-輸入は過去最高近くを維持
2月の米貿易赤字は、過去最大だった前月から縮小した。トランプ政権の大規模な関税導入を前に商品や資材を確保する動きが続いたが、輸出が強い伸びを示した。
キーポイント- 財とサービスを合わせた米貿易赤字は1227億ドル
- 前月から6.1%縮小
- エコノミスト予想の中央値は1235億ドル
- 前月は1307億ドル
輸入が過去最高近くにとどまった一方、輸出は2.9%増加した。データはインフレ調整されていない。工業用資材の輸入が減少したため、財の輸入は若干減少したものの、ビジネス機器や消費財、自動車などその他ほとんどのカテゴリーが増加した。
トランプ米大統領は2日、世界の貿易相手国に対し相互関税を課すと発表した。米国への全輸出国に最低10%の関税を賦課し、対米貿易黒字の大きい約60カ国・地域を対象に一段と高い関税率を適用すると発言した。
関連記事:トランプ政権が世界一律10%の相互関税-日本24%、中国は計50%強に
今後数カ月は輸入が減少する可能性が高い。トランプ大統領が政策目標のひとつに掲げる貿易赤字の縮小につながるだろう。企業が高価な外国製品を避けようとするためだ。
トランプ大統領は関税を導入することで、二国間貿易の公平性を確保し、外国からの投資を促し、米国での生産を拡大しようとしている。関税を政府の歳入を増やす手段としても捉えている。
2月の貿易収支統計によると、季節調整済みベースでカナダとの財の貿易赤字は縮小した。前月は過去最大を記録していた。一方、メキシコとの赤字は2月に過去最大に拡大した。
中国との財の貿易赤字は縮小した。米国への輸出額が減少したことが影響した。
工業用部材の輸入額は42億ドル減少した。これには製品の生産に使用される金属や石油製品、木材などが含まれる。
2024年末以降の貿易赤字は、拡大分の多くが完成金属に分類される金塊の輸入に起因している。
2月の貿易収支で金の輸入は減少したが、ニューヨーク商品取引所(COMEX)の在庫は安全資産としての購入と、貴金属がトランプ大統領の関税の対象となるのではないかとの懸念から急増した。2日にホワイトハウスのローズガーデンで発表された関税政策の詳細によると、地金は除外されることが明らかになった。
投資目的の金は、米政府による国内総生産(GDP)の算出から除外されている。金が除外されたとしても、米国の貿易赤字は1-3月(第1四半期)に前四半期比で恐らく拡大するだろう。
アトランタ連銀の予測モデルであるGDPナウは、第1四半期は1.4%減を示しており、純輸出は約2.5ポイントのマイナス寄与となる見込み。いずれの数値も金取引を調整したもの。
大半のエコノミストが懸念しているのは、トランプ大統領の行動により、企業が深刻なサプライチェーンの混乱とコスト増に見舞われ、物価上昇と経済成長の鈍化につながるのではないかという点だ。3日は世界的な株安となり、米株式相場も急落した。
インフレ調整後では財の貿易赤字は2月に1354億ドルと、やや縮小した。1月は過去最高を記録していた。
詳細は表をご覧ください。
原題:US Trade Gap Shrinks on Export Boost as Imports Stay Elevated(抜粋)