カナダと米国の貿易協議は「詰めの段階」-カーニー加首相

Brian Platt

  • トランプ氏は最近、カナダとの合意は優先事項でないとの認識示す
  • カナダにとって良い内容であれば署名する-カーニー首相
Photographer: Andrej Ivanov/Bloomberg

カナダのカーニー首相は28日、トランプ米大統領がカナダとの合意は優先事項でないとの認識を最近示したにもかかわらず、トランプ政権との貿易協議が依然として本格化していると述べた。

  カーニー氏は記者団に対し「これは交渉だ。公の場での発言はその文脈の一部として受け取るべきだ」と語った。その上で、交渉は「詰めの段階」にあり、カナダにとって良い内容であれば署名する姿勢を改めて示した。

  同氏は、カナダがトランプ大統領の関税を交渉で完全に撤回することは依然として難しいことを改めて認めた。その上で、カナダは欧州とは対米貿易関係が異なると強調。27日に米国との通商合意をまとめた欧州連合(EU)が米国からのエネルギー製品の購入拡大を約束したのに対し、カナダは米国への主要なエネルギー輸出国である点を指摘した。

  「この交渉には多くの要素がある」とカーニー氏は語り、「着地点は存在し得るが、そこに到達できるかは今後次第だ」と述べた。

  トランプ氏がカナダ製品への関税を25%から35%に引き上げると予告した8月1日が迫る中、ルブラン・カナダ・米国貿易担当相は今週の大部分をワシントンで過ごす見通し。

  現時点では、米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の規定に基づいて出荷されるカナダ製品の多くが関税の適用を免れており、ホワイトハウス当局者は8月1日以降も免除を継続する意向を示唆している。ただ、最終決定はトランプ氏に委ねられている。

  一方で、カナダは自動車、鉄鋼、アルミニウム、木材といった製品に対する米国の高関税に直面しており、トランプ氏は早ければ8月1日に銅輸入に対する新たな関税を課す可能性にも言及している。  

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原題:Carney Says US-Canada Trade Negotiations at ‘Intense Phase’ (1)(抜粋)

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