身近な玩具が兵器に変貌──『Call of Duty』新作の世界より怖い、現代の戦場ロボット

人気シューティングゲーム『Call of Duty』シリーズの最新先『Black Ops 7』(11月14日発売予定)のバイラルマーケティングの一環で、「ギルド(The Guild)」という架空の防衛企業のウェブサイトが開設されている。ギルドは民間市場に参入しようとしていて、「一緒にいれば、明日はもう怖くありません」という不吉なスローガンを掲げている。フォーブス(!)やWIRED誌に掲載された偽の記事では、ギルドの不気味なドローン(無人機)やロボット犬、アンドロイドが紹介されている。 【画像】ウクライナ軍のロケットランチャー搭載地上ドローンとロボット犬 武装ロボットはたしかに怖いが、このキャンペーンには大きな誤りが2つある。ひとつは、ゲームの舞台は2035年なのに、ギルドは2025年現在ですでに時代遅れに見えること。もうひとつは、脅威は軍事ハードウェアが家庭に入り込むことではなく、わたしたちがすでに持っているような電子玩具の兵器化にあるという点だ。 ■軍事と民生、技術の流れに大きな変化 かつては軍事が民間よりもずっと先を行っていて、わたしたちがいま当たり前のように使っている技術には、防衛部門の研究開発(R&D)に由来するものが少なくない。 インターネットは米国防総省の高等研究計画局(ARPA、現在の国防高等研究計画局=DARPA)によって構築された「ARPAnet」が起源だし、現在も米宇宙軍によって運用されているGPS(全地球測位システム)は当初、軍事専用だった。集積回路、いまやどこにでもある「シリコンチップ」も、さかのぼれば米テキサス・インスツルメンツが米空軍向けに開発したものであり、最初の大規模な導入例はミニットマンII大陸間弾道ミサイル(ICBM)だった。筆者は2005年に、このテーマで『Weapons Grade: Revealing the Links Between Modern Warfare and Our High Tech World(仮訳:兵器級─現代戦とハイテク社会のつながりを解き明かす)』という本を一冊ものしたほどだ。 だが状況は変わった。少なくとも小型電子機器の分野ではそうだ。“スマートフォン革命”により、民生用の電子機器メーカーはR&Dに十億ドル単位の巨費を投じるようになり、毎年新製品を出すその開発ペースは軍の数年単位の調達サイクルをあっという間に追い越した。規模の経済効果で、スマートフォンメーカーは軍の特注品よりも格段に低いコストで、たえず性能を向上させながらハードウェアを生産できるようになった。

Forbes JAPAN
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