ロシア軍がウクライナに582発の長距離ドローン・ミサイル攻撃、8月は後半から大規模攻撃の頻度が急増(JSF)

JSF軍事/生き物ライター
ウクライナ空軍より2025年8月30日迎撃戦闘の集計報告

 2025年8月30日のウクライナに対するロシア軍の長距離ドローン・ミサイル攻撃は合計582飛来(ドローン537機+ミサイル45発)、1日あたりではこの戦争における長距離攻撃で過去5番目の数となります。8月前半はロシア軍の長距離攻撃は低調でしたが、8月15日にウクライナ和平を話し合う米露アラスカ会談がありましたが成果は無く終わり、そして8月後半から大規模攻撃が急増しています。

※これは1日500飛来以上の記録で3年以上続く全面戦争下で過去7回あり、この7回は全て最近2カ月間に起きている。

※ただしドローンは自爆無人機だけでなく安価な囮無人機を大量に含んだ数字。

※なおドローンは毎日飛来しており、最近2カ月間での平均飛来数は1日あたり170機。

※7月のドローン平均飛来数は1日あたり200機、8月前半は1日あたり100機、8月後半は1日あたり190機。

2025年8月30日迎撃戦闘:ウクライナ空軍司令部

  • イスカンデルM/KN-23弾道ミサイル×8飛来6撃墜
  • 巡航ミサイル/空対地ミサイル(4種類)×37飛来32撃墜
  • 自爆無人機と囮無人機×537飛来510排除 ※排除は撃墜と未到達を含む

合計582飛来548排除、34突破。阻止率94%

ウクライナ空軍より2025年8月30日迎撃戦闘の集計報告

※巡航ミサイル/空対地ミサイル(4種類) : Kh-101、イスカンデルK、カリブル、Kh-59

※БПЛА : Безпілотний літальний апарат 無人航空機

※КР : Крилата ракета 巡航ミサイル(有翼ミサイル)

※КАР : Керована авіаційна ракета 空対地ミサイル(誘導航空ミサイル)

攻撃はザポリージャ、ドニプロ、パウロフラードに弾道ミサイルが集中

※攻撃経路の可視化地図の出典 : https://t.me/monitorwarr/31164

  • 赤色:巡航ミサイル
  • 青色:弾道ミサイル
  • 橙色:自爆無人機と囮無人機

○弾道ミサイル×8飛来6撃墜、2突破 ※阻止率75%

○巡航ミサイル×37飛来32撃墜、5突破 ※阻止率86%

○敵性ドローン×537飛来510排除、27突破 ※阻止率95%

 迎撃の難しい高速の弾道ミサイル相手にもパトリオット防空システムがよく善戦しており(ザポリージャ、ドニプロ、パウロフラードにパトリオットが展開していることを示している)、低速の巡航ミサイルやドローンを相手には防空システム全般が高い阻止率を示していますが、飛来数があまりにも多いので合計34の突破を許してしまっています。

 

6月以降の亜音速巡航ミサイル使用記録:2桁の場合 

  • 2025年8月30日:37発(Kh-101、イスカンデルK、カリブル、Kh-59)
  • 2025年8月28日:20発(Kh-101)
  • 2025年8月21日:33発(Kh-101、カリブル)
  • 2025年7月26日:15発(イスカンデルK、Kh-59/Kh-69)
  • 2025年7月21日:19発(Kh-101、イスカンデルK、カリブル)
  • 2025年7月12日:26発(Kh-101)
  • 2025年7月09日:23発(Kh-101、イスカンデルK)
  • 2025年6月27日:46発(Kh-101、イスカンデルK、カリブル)
  • 2025年6月17日:29発(Kh-101、カリブル、Kh-59/Kh-69)
  • 2025年6月09日:10発(Kh-101)
  • 2025年6月06日:44発(Kh-101、イスカンデルK、Kh-59/Kh-69)

※8月30日の巡航ミサイルは細かい種類分けがされていない報告が上がっているため、Kh-101単独での集計が出来ない。

 6~8月の弾道ミサイルは10発以上の使用記録が6月23日(11発)の1回のみで、他は全て数日おきに数発ずつという使い方です。つまりロシア軍のミサイルによる大規模攻撃とは月に数回ある巡航ミサイルの纏まった使用によるものです。

6月以降の亜音速巡航ミサイル使用記録:合計数 

  • 2025年8月:巡航ミサイル97発 ※30日時点
  • 2025年7月:巡航ミサイル116発
  • 2025年6月:巡航ミサイル170発 ※1日にパヴティナ作戦

※パヴティナ作戦でロシア軍の戦略爆撃機を複数撃破したことは巡航ミサイル攻撃の減少に繋がっていない。6月はむしろ報復で攻撃数が増加しており、7月と8月は平均的な数字に戻っている。8月は巡航ミサイル発射数のほとんどが21日、28日、30日の3回に集中している。

 なお6~8月の弾道ミサイルは6月(59発)、7月(58発)、8月(43発、30日時点)と大きな変化はありません。

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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