初登場時はボロカスに言われたけど…その後に成功したガジェットたち
2024年5月15日の記事を編集して再掲載しています。
今までになかったまったく新しいガジェットが生まれるとき、世の中の受け止め方は当然ながら賛否両論。素晴らしい!と絶賛する声もあれば、手厳しいレビューが飛ぶこともあります。
近頃では、スマホに置き換わるともいわれた「Humane Ai Pin」が、ポンコツって言われちゃいました。
同じくAIを活用したRabbit R1も未完成レベルと酷評。Apple(アップル)の空間コンピュータ(VRヘッドセット)Vision Proですら、レビューは比較的好意的だったものの売り上げは振るわず。
「高すぎる!」「使うシーンが想像できない!」「誰が買うの?」
初代発表時、現在の成功からは想像できないほどボロカスに言われたガジェットを振り返ってみました。
Humane Ai Pinだって、Rabbit R1だって、数年後には成功しているかもしれません…(完全お蔵入りしている可能性もあるけれど)。
Apple Newton
Image: Shutterstock-Pixelsquid / Shutterstock.com1993年にリリースされた、Appleのデジタルメモパッドです。マウスやキーボードではなく、ペンで操作する次世代パソコン。次世代パソコンというものの正に走りとなった存在です。ですが、The Wall Street Journal紙は「高すぎる!」「変わり種すぎる!」「紙とペンに置き換わるには不完全」と一蹴。時代がまだ追いついていなかったのか、その後ディスコン。
しかし、NewtonのDNAはそのままAppleに留まり、2010年にiPadという形で再び戻ってきました。
Steam Deck
Image: Steam2022年、初代Steam DeckがValveからリリースされたとき、世間の反応は芳しくありませんでした。米Gizmodoは「不完全なプロダクト」とし、The Vergeなんて「壊れてるしバグだらけ」と手厳しい意見を出しました。
ですが、同時に大きなポテンシャルがあるとも評していました。初代リリースを焦りすぎたのでは?というのが、多くの人が感じたこと。ただ、ゲーマーたちは、Steam Deck初代そのものの不具合よりも、手の中でPCゲームができるというコンセプトを高く評価し支援し続けました。
その後、Steam Deck OLEDという後継機もリリース。2023年までには、初代レビューで指摘された多くの問題点はすでに改善済み。今や類似品登場に頭を抱えるほど、人気の端末となっています。
iPhone
Image: marleyPug / Shutterstock.com今や日常に欠かせないiPhoneですら、2007年の初代モデルでは厳しい声を経験しました。大失敗して終わると宣言したメディアも多数。米TechCrunchは、ガラススクリーンのヒビや割れに悩まされて終わると一蹴。AdAgeは、全部入り端末は歴史的に失敗してきたとiPhoneの成功を否定しました。The Streetは、端末を仕様するための全体的コストの高さを指摘していました。
予想通り画面は割れました。端末も値上がりしました。それでもiPhoneは大成功を収めました。
任天堂 Wii-U
Image: Nintendo2012年のリリース時、世界のリアクションは今ひとつでした。Wiiの成功があっただけに、Wii Uに対する期待値が高すぎたのかもしれません。The Vergeの「誰も買わない」、Ars Technicaの「ファームウェアのアプデに失敗していて使えない」の声を浴び、正直出荷台数も振るわなかったものの、その概念は任天堂で生き続けました。
2017年、Nintendo Switchの登場で、Wii-Uの画面付きコントローラーという概念は報われたのではないでしょうか。
セグウェイ
Image: Shuttertock一世を風靡したと言ってもいいセグウェイ。「人間にとって最も健康的なアクティビティである歩くことを減少させるマシン。多くの人にとっては、人類文化的に一番いらない存在になるだろう」というリリース時のTime誌のレビューは非常に辛辣。メディア登場は多く、一部で猛プッシュされつつも、売り上げは振るわず終了。
ただ、その後、電動キックスクーターが都市部で大流行しているのを考えると、コンセプト自体は間違っていなかったのだろうと感じます。
Google Glass
Image: Peppinuzzo / Shutterstock.com2014年リリースのGoogleのスマートグラス。一時期、テックメディアはこの話題で持ちきりでした。ですが、その多くは批判的なもの。Washington Post紙なんてシンプルに「大嫌い」って言ってましたからね。
技術的限界もさることながら、プライバシーの問題が多く指摘されました。Google Glassは結局ディスコンになってしまったものの、その後Metaがスマートグラス開発に力をいれ、レイバンとコラボしてスマートグラスを続けています。
ただ、当時ボロカス言われたけど、現代では大成功しているガジェットと言えるかどうか? それを判断するのはもう少し先になりそう。
任天堂 バーチャルボーイ
Image: ncppltd / Shutterstock.com1995年に任天堂がリリースしたゴーグル型ゲーム機。当時のレビューでは「失敗しすぎてて引く」とハチャメチャな言われよう。
Meta Questよりも、Vision Proよりもずっと前のお話です。これもGoogle Glassと同じく、現代で成功と呼ばれるようになるのはもう少し先の話かな。