糖尿病予備軍の私が始めた「たんぱく質生活」48日目(2025/11/17)

テーマ:糖尿病対策/代謝再生プログラム

昨日は二日酔いだった。ひどい朝。夕方になってやっと回復するも本調子にはならない。早々に寝た。今朝は、すっきり軽い。やはり飲まない朝の快さは良い。欲とは、「快さ」、「気持ち良さ」=報酬の追求だ。お酒を飲むのも気持ちよいが、飲まなかった翌日の朝の気持ち良さも格別だ。ということは、「お酒を飲まないこと」は欲の我慢ではなく、「翌日の朝の気持ち良さ」という欲を選択するということ。要は、どっちの欲を選ぶか?ということだ。ここで問題になるのは、「今日の欲」と「明日の欲」のどちらを選ぶか????ほぼ100%、「今日の欲」、「今の欲」が勝つ。これが、我々人類の「最大で未解決の難問」である。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

生存系で報酬系を黙らせる

「やめたいのに、やめられない」——これは意志の弱さではない。脳の中で、報酬系(欲) > 統制系(理性) > 生存系(命)という異常な主従関係になっているからだ。人間の脳は本来、生存系(命を守る最下層)報酬系(ご褒美で動く中間層)統制系(判断・理性の最上層)の三階層で成り立っている。しかし現代の生活では、この順番が逆転する。生きるために“快”が必要だったはずが、快のために“生存”が後回しになる。その結果、「酒をやめられない」「暴飲暴食が止まらない」という構造になる。

生存系が目覚める時

私の場合、命のスイッチが入ったのは、ケガや事故ではなかった。糖尿病の“構造”そのものを知った瞬間だった。血糖値スパイク。膵臓疲労。インスリンの暴走。血管の破壊。失明・透析・足切断。そして、誰もが気づかないうちに、静かに静かに進行する病気。これは“少し悪い”のレベルではない。構造を知れば、これは命の問題だと理解せざるを得ない。この「構造的恐怖」が、生存系を目覚めさせた。いわば、“これはマズい。生き方を変えないと死ぬ。”という、生存側の本能的判断である。恐怖というより、「これは本気でやらないと終わる」という静かな生存意識だ。この瞬間、報酬系(飲みたい・食べたい)が一気に静まり、統制系の声が聞こえるようになる。

報酬リセットとは「苦行」ではなく“制御の仕組み”である

よく「断食」や「滝行」など“死に近い苦行”をイメージしがちだが、それは古代的な方法であって、現代には合わない。現代の報酬リセットは、もっと構造的だ。① 生存系が危機を認識する(糖尿病の構造理解でスイッチが入る)② 統制系が選択の主導権を取り戻す(早寝、食事改善、機会飲酒の決断ができるようになる)③ 必要なら補助装置を使う(シアナマイドのような“報酬系の強制停止ボタン”)この三つの組み合わせで、報酬系は徐々に弱まり、統制系が“快の主導権”を握り始める。つまり、現代の報酬リセットとは、生存系 × 統制系 × 補助装置の三段階制御で、報酬系の暴走を止める方法である。

「命を感じるだけ」では止まらない

よく、「生きている実感が大事だ」「命の喜びを感じれば依存は治る」という話を聞くが、それは“美しい言葉”であって、構造的には正しくない。なぜなら、報酬系は「いま快かどうか」にしか反応しないからだ。“食べたら死ぬ” → 止まる“30年後に病気になるかもしれない” → 止まらない人間の脳はそう作られている。だから必要なのは、命の危機感(生存系)を“現在化する”仕組みだ。糖尿病の構造を理解したことは、まさにそれを可能にした。

結論:報酬系は、生存系にしか勝てない

生存系が起動した瞬間、報酬系は黙る。統制系(理性)はここで初めて、“快を再設計する”権利を得る。これが、報酬リセット理論の核心である。明日の予告49日目(2025/11/18)「統制系に“快”を覚えさせる」──静かな快が、初めて“快”として脳に刻まれ始める日。

大好きな炭水化物よ、さようなら。

嶋﨑剛志プロは上毛新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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