「82」から「70」に激変の桑木志帆 「世界の壁を感じました」

◇女子メジャー第3戦◇KPMG全米女子プロゴルフ選手権 2日目(20日)◇フィールズランチ イースト (テキサス州)◇6604yd(パー72)

10オーバーの「82」をたたいた初日とは別人のようだった。「どうやって攻めたらいいかまだ分からない」とこぼしていた桑木志帆が一夜明け、午前8時22分にティオフすると、前半インを4バーディ「31」で駆け抜けた。

キャディとのコミュニケーションの取り方を見直した。海外で初めて起用した現地キャディとは英語でのやり取りで、コース攻略の情報を聞き取るのも大変だが、ショットのイメージを作るには細かいニュアンスのすり合わせも必要になる。

ホールごとにある絶対に打ってはいけないエリア、許容範囲について「細かいところまで聞けるように、コーチが英語のメモを作ってくれて。それを見ながらコミュニケーションを取りました」という。結果的に、前日38.8%(7/18)だったパーオン率は77.7%(14/18)に上昇した。

悔しいのはスコアを5つ伸ばして迎えた後半5番以降だ。予選通過がはっきり見えた5オーバーから、1バーディ、4ボギーとスコアを落とした。3番後、同組のカルロタ・シガンダ(スペイン)、ガブリエラ・ラッフルズ(オーストラリア)と一緒に競技委員から前組と間隔が開きすぎとして「アウト・オブ・ポジション」の警告を受けた。その後、5番、6番で連続3パットを喫してしまった。

「周りは急いでいる感じがなかったけど、(自分は)だいぶ影響を受けました。そこは経験不足だなって」。スロープレーによるペナルティが気になった。「周りに流されないように、精神的な部分を鍛えたい」と振り返る。

予選落ち濃厚な通算8オーバーのフィニッシュになったが、6バーディ、4ボギーの「70」と難セッティングをアンダーパーで回れたことは自信になる。「日本ではなかなか経験することのない難しい状況のなかで世界のプレーヤーと回れたのは財産だなって。頂点はまだまだ遠い。世界の壁を感じました」。次戦は26日開幕の国内ツアー「アース・モンダミンカップ」(千葉・カメリアヒルズCC)。大舞台で得た自信と課題を今後に生かしたい。 (テキサス州フリスコ/石井操)

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