無自覚に著作権侵害!? 流行りの3Dフィギュア化に要注意。自分用のVRモデルでもダメかも
写真やイラストといった画像から3Dフィギュア風のリアルな画像をAIで生成し、SNSに投稿することが流行している。「Gemini 2.5 Flash Image(Nano Banana)」などを使えば、高品質な3Dフィギュア風画像を誰でも手軽に生成可能になったためだ。この手軽さがゆえに「無自覚に著作権侵害を犯してしまう可能性がある」と有識者が警鐘を鳴らす事態となっている。どのような行為が問題となるのか、特に注意すべき3つのケースを見ていこう。 ■ 他者のイラストなどを無断で利用する行為 自分ではない第三者が権利を持つイラストなどを元に3Dフィギュア風画像を生成し、SNSに投稿する行為は、著作権侵害に当たる大きな危険性をはらむ。 具体的には、イラストを立体化する際に必要な翻案権や、生成した画像を不特定多数が見られる形で公開するために必要な公衆送信権などを侵害する可能性が高い。 ■ 自身のVRアバターのフィギュア化 VRChatなどで利用している自身の3Dアバターをフィギュア化する場合も、著作権侵害の問題から無縁ではない。 アバターは、様々なクリエイターが配布または販売している素材を組み合わせて作られることが多いのが実情。これらの素材の利用規約は、VRChat内での利用や、ゲーム内スクリーンショットのSNS投稿程度しか想定していないケースが多数ある。そのため、AIによる3Dフィギュア化という二次利用や、その生成物のSNS投稿は、素材の規約違反となりえるのだ。 ■ 非公式サービス経由での生成AI利用 Nano Bananaなどの生成AIを公式サイトやアプリ以外から利用可能にするサービスの存在も、問題をさらに複雑化させる一因。 例として、Nano Bananaを利用可能なWebサービスである「LMArena」の利用規約には、アップロードや生成されたコンテンツについて、あらゆる利用許諾をサービス運営元が取得するという旨が記載されている。正当な権利を持たない利用者がこの規約に同意してコンテンツをアップロードすれば、著作者名詐称に該当する。 今回の3Dフィギュア化の流行に限った話ではない。自身が権利を有していないコンテンツをSNSや生成AIなどで利用する際には、規約や権利関係への常に細やかな注意が必要不可欠だ。
PC Watch,上田 羽純