【村瀬智一が斬る!深層マーケット】AI・半導体関連のローテーションが意識されてくる
RAKAN RICERCA 取締役 会長 村瀬智一
日経平均株価はAI(人工知能)・半導体関連株を中心とした物色が続くなか7日続伸。週末19日は一時7万1952円まで買われ、連日で史上最高値を更新した。トランプ米大統領とイランのペゼシュキアン大統領が17日、戦闘終結に向けた覚書に署名した。今後はイランの核開発計画や制裁解除などを巡る最終合意を目指して60日間の交渉が始まる。
イランはこの間、ホルムズ海峡の船舶の安全な航行を確保し、米国も海上封鎖を解除する。エネルギー価格安定化への期待が高まるが、株式市場では景気敏感株など内需系を見直す動きは目立っておらず、今後のリバランスの動きを見極める必要がありそうだ。足元の株式市場の反応からは、AI・半導体関連への資金流入は当面継続するとみられる。キオクシアホールディングス <285A> [東証P]など先駆している銘柄で利益確定の動きが強まったとしても、これらセクター内でのローテーションが意識されてきそうである。出遅れや調整一巡が意識されてきた関連銘柄が、改めて投資家の注目を集める可能性があろう。
●活躍が期待される「注目5銘柄」◆JX金属 <5016> [東証P]
半導体材料と情報通信材料、基礎材料の3セグメントで事業を展開。半導体の回路形成に不可欠な「スパッタリングターゲット」で世界シェア約6割を誇る。AIデータセンター 向けの光電融合技術に対応するため、インジウムリン基板の生産能力を2030年度までに最大10倍へ増強する計画。株価は6月11日に付けた3238円を直近安値としてリバウンドを強め、25日・75日移動平均線を上抜けてきた。5月11日高値の5828円を意識したトレンド形成に期待したい。◆ソシオネクスト <6526> [東証P]
カスタムSoC(システム・オン・チップ)の設計・開発に特化したファブレス半導体大手。同社は、ヘテロジニアスインテグレーション(異種チップ集積)をさらに進化させる新たなチップレットのカテゴリー「Flexlets(フレックスレッツ)」を用いた顧客向け製品の設計を順次開始しており、案件獲得を本格化・拡大させていく。「Flexlets」はあらゆるベンダーのIP(知的財産)を自由に組み合わせ、顧客の用途に合わせて性能を最適化することを可能にする。株価は75日線までの調整を経てリバウンドをみせ、25日線、200日線を上回り、6月3日高値の3200円を視野に捉えた。◆QDレーザ <6613> [東証G]
独自の量子ドット半導体レーザ技術を中核とする研究開発型メーカー。量子ドットレーザやDFBレーザなど用途に応じた様々な波長の半導体レーザを、半導体検査装置、精密加工機など向けに供給。生成AIの爆発的普及に伴うデータセンターの高速化・省電力化(光配線需要)を背景に、同社の量子ドットレーザへの引き合いが強まっている。株価は5月25日に付けた上場来高値3620円をピークに調整しているが、25日線水準での値固めからのリバウンドを想定する。◆シチズン時計 <7762> [東証P]
「時計事業」と「 工作機械事業」を2大コア事業に位置づける。工作機械事業は、時計製造で培った超精密加工技術をベースに「シンコム(Cincom)」ブランドの自動旋盤を展開する。同旋盤はAIデータセンター用の半導体検査ピン(プローブピン)加工向けの需要が増えている。時計事業では「プロマスター」や「アテッサ」といった高付加価値のグローバルサブブランドの比率を高める。株価は6月3日の2385円を高値に調整を入れたが、上向きで推移する25日線に沿ったトレンドを維持し、週末19日には上場来高値更新を果たした。ここから一段の上昇が期待されそうだ。◆日本電気硝子 <5214> [東証P]
液晶や有機EL(OLED)などのディスプレイ用ガラス基板に加え、半導体パッケージの製造工程で使われる「半導体サポートガラス」を提供。また、樹脂(プラスチック)の強度を向上させる「Eガラスファイバ」を手掛けており、自動車の軽量化(燃費向上)や、光通信の基盤で重要な役割を担う。ヨコオ <6800> [東証P]との資本業務提携により、次世代AI半導体・5G/6G情報通信分野において新製品の共同開発に乗り出している。株価は200日線までの調整を経て、足元で反発に転じており、75日線を捉えてきている。 2026年6月19日 記 (次回は7月4日に更新予定) 株探ニュース