【RIZIN】『超RIZIN』を沸かせたフライ級GP「5人の勝者」の行方は? 投票待つ元谷友貴、扇久保博正、ガジャマトフ、神龍誠、そして伊藤裕樹は「1人落ちるよりも──」

 2025年7月27日(日)さいたまスーパーアリーナにて『超RIZIN.4 真夏の喧嘩祭り』が開催され、本戦第1試合から第5試合まで、「RIZIN WORLD GP 2025 フライ級(57.0kg)トーナメント 1回戦」が行われた。

 当初の8人トーナメントから、2選手が追加されて変則の10人トーナメントとなった今回のフライ級GP。9月28日の名古屋・IGホール大会での準決勝に進むのは、1回戦5人の勝者から4人のみ。「ファンおよび識者による投票で1人が脱落する」と事前に発表がなされている。

▼第1試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇元谷友貴(アメリカントップチーム)[判定3-0]×ヒロヤ(ジャパントップチーム)

 試合は、第1試合でバンタムから9年ぶりにフライ級に戻した元谷が、篠塚辰樹TKOから米国合宿帰りのヒロヤと対戦。元谷がスタンドでジャブ&ロー。組んでも首相撲、バック奪取で判定3-0で完勝。

▼第2試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R×ホセ・トーレス(米国)[判定0-3]〇扇久保博正(THE BLACKBELT JAPAN)

 第2試合では、元UFCで神龍誠に判定勝ちの強豪トーレスを初戦で指名した扇久保が、再三のシングルレッグからテイクダウンでコントロール。切られても組み続けるタフファイトを制し、判定3-0で熱戦を勝利。

▼第3試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇伊藤裕樹(ネックス)[判定3-0]×エンカジムーロ・ズールー(南アフリカ)

 第3試合は、ララミーに打ち勝ち神龍に敗れた伊藤が、堀口と渡り合ったズールーを指名。蹴りも混ぜた長い距離のズールーに対し、伊藤はステップと回転の速いパンチで、ズールーの組みも完封。判定3-0で勝利した。

▼第4試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇アリベク・ガジャマトフ(ダゲスタン)[3R 2分39秒 TKO] ※左フック→鉄槌×征矢 貴(THE BLACKBELT JAPAN)

 第4試合は、5勝無敗のダゲスタン戦士ガジャマトフと、ドッドソン戦の勝利でトーナメントに異例の追加参戦を果たした征矢が対戦。榊原CEOの「塩試合禁止令」にもかかわらず早々にタックルを仕掛けた征矢が組みを混ぜての打撃で前進も、ガジャマトフが拳で打ち勝ち、3RTKO勝ち。

▼第5試合 RIZIN WORLD GP 2025 フライ級トーナメント 1回戦 5分3R〇神龍 誠(神龍ワールドジム)[1R 2分55秒 ギロチンチョーク]×山本アーセン(KRAZY BEE/NAUGHTY HOUSE)

 そしてGP最後の第5試合では、ともに組みを武器とするなか、神龍がアーセンに両差しで組まれるとジャンピングガード。最後はクローズドガードに入れてのギロチンチョークを極めて貫録の一本勝ちを収めている。

 判定であっても、強豪相手に攻めの戦いを見せた扇久保、元谷、伊藤。フィニッシュ勝利のガジャマトフと神龍。対戦相手との相対的な要素もあり、どの試合も甲乙つけがたい熱戦が並ぶなか、「勝者」たちはいずれも準決勝進出を望んでいる。

 元谷「本当はフィニッシュして、準決勝に行きたかった。打撃でもフィニッシュ狙えるっていうところを見せた方が、やっぱり会場も盛り上がっていた」

 扇久保「僕にとってタックルは逃げじゃない、攻め。最終回は無意識で殴っていたのかもしれない」

 ガジャマトフ「2回戦に向けても対戦相手を潰しにかかる──そういう気持ちで臨みたい」

 神龍「面白くない試合した人が落ちれば、みんなも納得できるんじゃないですか。僕、面白かったですよね? 僕は落とされないですよね」

 そんななか、南アフリカ王者のズールーを打撃で翻弄した伊藤は、試合後、1人脱落のフライ級GPについて、新たな提案を語っている。

 伊藤は「ちょっと思ったんですけど。まあ僕、準決勝が地元名古屋じゃないですか。“行けるかなー”と思ったら元谷さんは元タイトルマッチ経験者、扇久保さんは絶対王者、で、ガジャマトフKO勝ちで強かった、神龍一本勝ち。で俺、判定(笑)。これ、もしかしたら地元名古屋で、トーナメントがどういう抽選か知らないですけど、ひとり脱落するとなったら……“これ俺、脱落したらヤバいんじゃね?”と思って、ちょっと内心びくびくしています」と、地元開催の準決勝進出の危機にいると吐露。

 続けて、「誰に落ちてほしい?」との問いに、「うーん、難しい(笑)。まあなんか、落ちるよりも、逆にひとりポコーンって復活して、6人でもう1回やっちゃえ! で、決勝2試合とかのほうがいいんじゃないかなって思っていますね」と、2回戦を4人に絞らず6人で戦い、3選手の勝ち上がりを決め、決勝大会も4人として大晦日ワンデー2試合のトーナメントにすることを提案している。

 一方、一部ファイターからは、5人の勝者のうち1人をシードにし、GP王者と対戦させてはどうか、という意見も出ているが、今回の優勝賞金は2千万円がかけられており、タフなトーナメントを勝ち抜いた者が2代目王者に認定される誉もある。

 1回戦の勝ち上がりを見た榊原CEOは、大会総括で、「フライ級は本当にこの5人の勝ち上がったメンバーから──自分でこういうシステムを作っておきながら──、1人外れるのは酷だなと。でも、5人が勝ち上がっちゃっているのは事実なんですね。どうしたもんかなっていうの思いの中で、いろいろファンの皆さんの声、そして有識者の人たちの声にきちんと耳を傾けて、皆に納得してもらえる道を作りたい。アイディアとしてはいくつか持っているので、どれが正しい回答なのかっていうのは、少し検討したいと思います」と、「投票」に含みをもたせている。

 フライ級GP「5人の勝者」には、もうひとつのジャッジメントとその方法が近日中に下される予定だ。

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