ニューズマックス、IPO後に株価1160%高-「ミーム株」の熱狂再来

Bailey Lipschultz

  • 保守系メディア、上場2日目も株価急騰-時価総額160億ドル超え
  • 売上高に基づく割高さ、ゲームストップのピークをはるかに上回る

3月31日に株式を上場した保守系メディアの米ニューズマックスは、株価が新規株式公開(IPO)価格を1160%上回り、「ミーム株」さながらの動きを見せている。

  ニューズマックス株は上場2日目となった4月1日の取引を51%高の125.98ドルで開始。前日には何度も売買停止を挟みながら、735%急騰して引けた。米証券取引委員会(SEC)に届け出た発行済み株式数に基づくと、株式時価総額は160億ドル(約2兆4000億円)を上回る。

  ニューズマックス株の急騰は、2020年から21年に市場を席巻したミーム株ブームをほうふつさせる。ミーム株は当時、投資家の熱狂によってファンダメンタルズとかけ離れた水準に押し上げられた。

  ニューズマックスが報告した昨年の売上高は1億7100万ドル。ブルームバーグの計算によると、過去の売上高に基づく株価売上高倍率(PSR)は85倍を上回る。ミーム株代表格のゲームストップの場合、PSRはピーク時でも4倍、AMCエンターテインメント・ホールディングスでは14倍だった。いずれもブルームバーグがまとめたデータに基づく。ニューズマックスの割高さはしかし、トランプ米大統領のメディア企業とは比べものにならない。トランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは昨年11月の選挙前に、PSRが2000倍を大きく超えたことがある。

  過去5年に米国でIPOを実施し上場初日に700%を超えて値上がりした企業は、ニューズマックスを除けばわずか7社だ。こうした企業は長期的には株価が大きく下落し、平均してIPO価格を94%近く下回っている。上場来高値からの下げは99%に近い。

原題:Newsmax Becomes a Meme Stock With 1,160% Post-IPO Surge(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE

関連記事: