“相馬対策”で町田撃破に導いたメルボルン・C金森健志、ネイビーの個人横断幕に感謝「自分の頑張る力になった」
MF金森健志
[11.4 ACLEリーグステージ第4節 町田 1-2 メルボルン・C Gスタ]
31歳にして初の海外移籍を決断した日本人FWがFC町田ゼルビアに立ちはだかった。メルボルン・シティ所属のMF金森健志は1-1で迎えた後半開始から途中出場。町田のストロングポイントであるMF相馬勇紀を抑えるべく、右サイドハーフで投入されると、ボランチやトップ下も務めるポリバレントぶりで劇的な勝利に大きく貢献した。
メルボルン・Cを率いるアウレリオ・ビドマル監督は試合後、ハーフタイムの修正は“相馬対策”にあったことを明かした。「左サイドの相馬選手が非常に脅威になっていたので、そこをなんとかしないといけなかった。(修正したことで)そこから徐々にボールをコントロールできるようになった」。そのキーマンを担ったのが今夏加入の金森。相馬にボールが入った時の対応、そして相馬を狙ったサイドチェンジに警戒していたという。 「前半はサイドハーフのポジショニングが低く、うまく引き出されて相馬選手にボールが渡る機会が多かった。そこに出させないところは意識していた。浮き球で出された時にプレスバックというのを意識していた」(金森)。この修正が功を奏したことで、前半は大半のドリブル突破を成功させていた相馬の脅威が減少。GKパトリック・ビーチの再三のスーパーセーブもあり、強固な守備で終了間際の決勝弾につながった。 メルボルン・Cは今大会初戦からサンフレッチェ広島、ヴィッセル神戸、ブリーラム・ユナイテッドと戦っており、対日本勢はこれで4試合目。だが、広島には0-2、神戸には0-1で敗れており、前節のブリーラム戦(◯2-1)に続いて連勝を収めたこの一戦は初の日本勢撃破となった。 Jリーグ通算316試合出場の豊富な経験を活かした金森は「日本でプレーするのは変な感じだけど、もっと成長したい思いで移籍した。だんだん慣れてきてはいるけど、もっとあっちの環境に慣れて、この年でももっともっと上を目指してやっていきたいので今日、町田に勝ったのはすごく自分の中で自信になった」と手応えを語った。 この日はメルボルン・C側の応援席に前所属のアビスパ福岡で使われていたネイビーの個人横断幕も掲げられており、「福岡のファンも駆けつけてくださって、嬉しいですし、自分の頑張る力になりました」と喜びも語った金森。「目に見える数字は自分にとって必要になるのと、まずはグループステージ突破を目標に今日の勝利はそこにつながる勝利になった」。充実の凱旋試合を経て「また帰ってメルボルンダービーもあるので楽しみ」と8日のメルボルン・ビクトリー戦を見据えていた。 (取材・文 竹内達也)●ACLE2025-26特集▶話題沸騰!『ヤーレンズの一生ボケても怒られないサッカーの話』好評配信中