米国株急落、時価総額250兆円近く消失-「誰も逃れられない」との声
米株式相場は3日に急落。S&P500種株価指数は時価総額およそ2兆ドル(約290兆円)を消失した。トランプ大統領が前日に打ち出した大規模な関税措置がリセッション(景気後退)を引き起こすとの懸念が強まっている。
海外の製造業者にサプライチェーンを大きく依存している企業の株が、特に売られている。アップルは一時9.5%安。同社は米国で販売する製品の大半を中国で製造している。ベトナムで生産するルルレモン・アスレティカやナイキは、いずれも13%を超える下げ。
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米国外で調達する製品が大部分を占めるターゲットとダラー・ツリーも、一時少なくとも12%下落した。
ニューヨーク時間午前10時20分時点では、S&P500種構成銘柄の80%余りが下落。全体の3分の2近くは2%以上の下げとなっている。
ナティクシス・インベストメント・マネジャーズ・ソリューションズのポートフォリオストラテジスト、ギャレット・メルソン氏は「誰も逃れることはできない」と指摘。「少なくともきょうは、広範なリスク回避の動きに巻き込まれる」と述べた。
このほか、景気の影響を受けやすいエヌビディアやマイクロン・テクノロジー、デル・テクノロジーズも下げ、ゼネラル・モーターズ(GM)やフォード・モーターなどの自動車メーカー株も下落している。
トランプ大統領が2日夕方に発表した関税措置の範囲と苛烈さは、同氏が1期目に課した関税を大きくしのぐ。世界的なサプライチェーンを破壊し、景気減速を深刻化させ、インフレを押し上げるリスクがある。投資家は、今回の関税賦課が企業利益に及ぼす影響を見極めようと苦慮している。
JPモルガン・チェースのエコノミスト、マイケル・フェローリ氏は、今回の関税措置により今年の物価上昇率が最大1.5%押し上げられる可能性があると試算し、個人所得と支出への重しになると指摘。
「この影響だけで経済はリセッションに危険なほど近づく恐れがある」とし、「輸出と投資への追加的な打撃を考慮する前でも、こうした状況だ」とリポートに記した。
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米国債利回りは3日に大きく低下。2年債利回りは一時17ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、10年債利回りは13bpそれぞれ低下した。
国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率 米30年債利回り 4.46% -4.0 -0.90% 米10年債利回り 4.03% -10.4 -2.52% 米2年債利回り 3.72% -14.2 -3.68% 米東部時間 11時19分外国為替市場ではブルームバーグのドル指数が続落し、一時2%を超える下げ。円は対ドルで一時2.7%上昇し、1ドル=145円20銭と昨年10月以来の高値を付けた。
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原題:Trump Tariffs Wipe Out $2 Trillion From US Stock Market、S&P 500 Tumbles as Tariff War Ignites Growth Fears(抜粋)