ビットコイン高騰で株も急騰?「暗号資産関連株」で注目を集める日本企業4社とは(MONEY PLUS)
今のビットコインの上昇には、複数の理由があります。 1. 米国の規制整備とETFへの資金流入 米国では、暗号資産に関する規制の整備が進んでおり、特にステーブルコインに関する法案が議会で審議されています。このような規制の明確化により、投資家の信頼が高まり、ビットコインETFへの資金流入が加速しています。5月だけで、米国のビットコインETFには36億ドル以上の資金が流入しました。 2. 機関投資家と企業の積極的な参入 米国の州政府や上場企業が、ビットコインを戦略的な準備資産として組み入れる動きが加速しています。トランプ政権は、押収したビットコインを国家準備金に充てる大統領令に署名し、州議会でも関連法案が可決されています。これにより、民間企業もビットコイン保有を積極化しています。 3. 米ドルの信頼低下と代替資産としての需要増 ムーディーズが米国債の格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」へ1段階引き下げたことや、トランプ政権による関税政策により、米ドルの信頼性が揺らいでいます。これにより、投資家は代替資産としてビットコインや金への投資を増やしています。 4. 供給制限と半減期の影響 ビットコインは発行上限が2100万枚と決まっており、約4年ごとにマイニング報酬が半減する「半減期」があります。2024年に発生した半減期の影響で、新規供給が減少し、価格上昇の圧力が高まっています。 このように複数の要因が重なった結果、過去最高値を更新する強気相場に入っています。
さて、ビットコインの盛り上がりに便乗し、日本の株式市場でも“暗号資産関連株”が急騰しています。 “暗号資産関連株”とは、ビットコインやイーサリアムといった暗号資産に関連する事業を行う企業の株のこと。例えば、暗号資産取引所を運営していたり、暗号資産に投資していたり、ブロックチェーン技術を活用していたりする企業が該当します。 ビットコインの価格が上がると、それに関連する企業の業績も好転する可能性があるため、投資家から注目されやすくなります。暗号資産そのものを買うより手軽なことも追い風のようです。 2025年5月時点で特に注目を集めている日本の暗号資産関連株を紹介します。
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暗号資産関連株には魅力も多い一方で、注意すべき点も少なくありません。 最大のリスクは、ビットコインなどの暗号資産の価格変動に連動して株価も大きく上下する点です。たとえ企業の本業が堅調でも、暗号資産相場の急落で株価が下がるケースもあります。 また、「暗号資産関連」といわれていても、実際の事業収益に占める割合がごくわずかという企業も多く、投資する際は事業構造や業績への影響をよく確認する必要があります。加えて、過熱気味の銘柄には短期の投機資金が流入しやすく、値動きが荒くなる傾向もあります。話題性だけで判断せず、冷静な見極めが大切です。
暗号資産に直接投資するのが不安な方にとって、関連株は「手が届く入り口」ともいえます。特に、証券口座で手軽に取引できる点や、情報の透明性は初心者にも大きなメリットです。 ただし、関連株といっても値動きは荒く、過熱感があるときには大きな下落もあり得ます。人気に流されず、冷静に「その企業の何に投資しているのか」を考えながら、慎重な判断が必要です。 直近だけを見ても、すでに過熱感があり、ボラティリティはかなり高くなっています。やっきになって飛びついて高値づかみとならないよう、一歩引いて俯瞰で見る余裕も欲しいですね。
藤川 里絵(個人投資家/CFP)