カプコン人気ゲーム「バイオハザード」スマホ向け新作が発表されるも、ファンの受けがイマイチな理由(東洋経済オンライン)

■疑惑の目を向けられるカプコンのライブサービスゲーム  『BIOHAZARD Survival Unit』がユーザーから否定的に捉えられるのは、カプコンの運営型タイトル(ライブサービスゲーム)があまりうまくいかないといった印象が強いからではないだろうか。  2016年にリリースした『ブレス オブ ファイア6』は約1年7カ月でサービス終了したうえ、ナンバリング最新作にもかかわらずすぐに畳んでしまうといった失態を犯した。

 2020年リリースの『モンスターハンター ライダーズ』はストーリーを完結させられず、約2年4カ月でサービス終了。『ロックマンX DiVE』は初期こそ人気があったようだが、約3年でこちらも幕を閉じた。  ただ、実はカプコンのライブサービスゲームはうまくいっているものもある。『モンスターハンターNow』は人気のある部類のようだし、オンラインゲームを含めていいのなら『モンスターハンター フロンティア』という12年も続いたゲームもある。

 とはいえ、『バイオハザード』シリーズとなるとまた事情が変わってくる。2022年リリースの『バイオハザード RE:バース』という対戦ゲームはプレイしてすぐにダメだとわかる出来栄えだったし、そのもうひとつ前の『バイオハザード レジスタンス』も成功とは言いがたい部類だった。  結局のところ、ユーザー側に悪い印象が強く植え付けられているうえに、『バイオハザード』シリーズのスピンオフとなるとなおさら悪い予感がするわけだ。

 おまけに、『BIOHAZARD Survival Unit』は前述のようにスマホでよくあるストラテジーゲームである可能性が高い。もし新しいスマホゲームに挑戦するのであればまだ可能性はあるが、平凡な作品であるとなると成功するのは容易ではないだろう。その雰囲気が漏れ出てしまっているのである。 ■世界で人気のバイオがさらなる進化を遂げるのか  とはいえ、『バイオハザード』シリーズは全体を見れば世界的に成功している優れたゲームだ。ナンバリングタイトル(いわゆる本編)で新主人公を出したり新しい可能性を追いつつ、過去の人気キャラクターはスマホ向けタイトルなどスピンオフで活躍させる腹づもりなのだろう。

 また、『BIOHAZARD Survival Unit』が成功しなさそうな雰囲気を感じ取っているのはゲーム好きだけであって、それなりにうまく行く可能性がゼロなわけではない。定番のゲームはそれなりに人気があるゆえに定番なのだ。  いずれにせよ、世界的人気の『バイオハザード』シリーズがスマホ向けタイトルという新たな挑戦を試みているのは間違いない。スピンオフタイトルに恵まれないシリーズだが、今度こそヒットするだろうか。前評判を跳ね返すような作品を期待したい。

渡邉 卓也 :ゲームライター

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