古巣・中日への愛着か…巨人クローザーが明かした“苦悩”「今だから言えること」

■巨人 4ー0(27日・東京ドーム)

 巨人の守護神、ライデル・マルティネス投手は27日、DeNA戦(東京ドーム)で開幕30試合連続無失点をマークした。9回ピンチから7番手として救援して2者連続三振。今季25セーブ目を挙げた。ヒーローインタビューでは「あまり記録のことは考えたくないと言うのはあるんですけど、日々の練習をしっかりできている成果が、こういう結果につながっているのかなと思います」と胸を張った。

 緊急登板にも動じなかった。4点リードの9回1死一、二塁からマウンドへ。梶原を152キロ、代打・桑原を156キロでバットに当てさせなかった。「前に走者が2人出たら行くよと言われていた。ブルペンでしっかり準備はできていたのでいい投球をできた」。クローザーは頼もしかった。

 昨季まで同僚だった田島慎二が2016年に作ったセ・リーグ記録の開幕31戦無失点にも王手をかけた。新天地でも無双しているが、移籍当初は人知れずに苦悩を抱えていたようだ。「今だから言えることですけど、最初の時期はなかなか打ち解けることができなかった」。昨季まで中日の絶対的なクローザーだった。古巣に愛着があったからこそ苦労もしたようだ。

 オフのキューバでは午前7時30分からひたすらランニングメニュー。「短距離ダッシュから長距離を走る時もある。坂道ダッシュをする時もある。トレーニングはランニングに時間を費やしている」という“練習の虫”だ。圧倒的な成績を残していく中で、新たな同僚たちの心もつかんだようだ。

「少し苦労していたかなと思いますけど、シーズンが始まってからはチームメートと打ち解けることができたと思う。家族のような関係になったと思う」

 リーグトップに並ぶ7勝目を挙げた山崎とお立ち台に上がり、「ちょっと遊び好きなところがある」とイジる場面もあった。チームに溶け込んでいることを示す、何よりの証拠だった。

 パナマ出身で、巨人在籍3年目のバルドナードは「マルティネスは本当に練習をたくさんするし、自分も含めて日本人選手にいい影響を与えていると思う。彼にとっては新しいチームなので、ジャイアンツのやり方やルールを教えるようにしていたが、気づいたら、もう何年もいるような感じで、日本人選手とも仲良くしている」と語った。阿部巨人でもしっかりフィットした最強クローザーに死角はない。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

関連記事: