ウクライナ問題、トランプ氏は近く困難な選択迫られる-欧州当局者

Alberto Nardelli、Alex Wickham、Daryna Krasnolutska、Andrea Palasciano

  • プーチン氏、トランプ氏の立場を逆手にとっている-欧州当局が見解
  • ロシアは合意に条件を要求、トランプ氏は強く出るか譲歩かの選択に

ウクライナでの戦争終結を目指すトランプ米大統領だが、近く難しい決断に直面するだろうと欧州当局者はみている。

  25日まで3日間続いた協議の終了後、ロシアは黒海での停戦実施前に一部の制裁緩和を要求。全面的な停戦を視野に入れようとする米国の取り組みに、さっそく水を差した。

  トランプ氏は自身が交渉の達人であることを示そうと、ウクライナでの戦争の早期終結を実現させると公約している。ロシアのプーチン大統領は、その公的な立場を逆手にとっているように見えると、一部の欧州当局者は指摘した。

  ロシアは交渉を長引かせ、協議の範囲を狭くして米国に譲歩を迫る意図があるように思われると、非公表の状況評価を話しているとして匿名を要請したこの当局者は述べた。対ロシア関係と、イランや中国など米国の他の懸念を関連付けるトランプ政権の方針も、プーチン氏に有利な交渉材料を与えていると当局者は語った。

  つまり、トランプ氏は選択を強いられかねないということだと、当局者は指摘。その選択とは、トランプ氏が自ら設定した期限内の停戦を実現させようとロシアに強い立場を取り始めるか、ますます重要な譲歩をするようになるかだろうという。

  トランプ氏は25日のニュースマックスとのインタビューで、「ロシアがこれを終わらせたいと考えているとは思うが、長引かせようとしている可能性もある」と述べた。

  ロシア大統領府の意向を知る関係者によると、今回の交渉で制裁緩和の要求を突きつけた同国は、将来の合意にも単なるあいまいな相互の譲歩ではなく、具体的な便益の保証を盛り込むよう求める見通しだ。

  ウクライナのゼレンスキー大統領は25日に記者団に対し、トランプ氏の停戦実現願望にロシアはつけ込み、本来は無条件だったはずの合意に要求を差し挟もうとしていると指摘。ウクライナ軍は部分停戦を即時で守る意向だと表明した。

  ロシアも部分停戦を既に履行していると主張しているものの、欧州当局者は25日夜、地上での相互停戦は発効しておらず、詳細はまだ最終決着していないと語った。

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原題:Europe Sees Putin Forcing Trump Into a Tough Choice on Ukraine(抜粋)

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