逆転サヨナラの王子 監督「らしくないことをした結果…」 都市対抗
第96回都市対抗野球大会は第5日の1日、東京ドームで1回戦があり、春日井市・王子が延長十回タイブレークの末に門真市・パナソニックに7-6で競り勝ち、2年ぶりの本大会勝利を挙げた。
春日井市・湯浅貴博監督の試合後の主な談話は次の通り。
王子・湯浅貴博監督
<試合を振り返って>
(4番手で3失点の)樋口(新)も1年目で、代える時に「これが都市対抗だぞ」と伝えた。ベンチも「(樋口にも)こういうこともあるよね」という雰囲気でした。2次予選は1年目ながら頑張ったんですけど、やっぱり都市対抗の厳しさっていうのはベンチのベテランがよく知っている。代え時っていうのはどうだったかなとは思いますけども、それでも(継投し)3点で抑えた。(サヨナラ勝ちは)バッター陣が諦めずに行った結果かなと思います。
Advertisement(延長十回は)積極的にファーストストライクから珍しく割り切って、思い切って行ってくれたのでなんとかなるのかなと思ったんですけど……。最後はまさかというか。予想しないような打球が飛んでいった。
本当に野球っていうのは難しい。「まさか」っていうのがあるんだなと思いましたね。神鳥(猛流)があの打球を打つとは誰も思わないので……。そこでの野球の難しさっていうのは、本当に勉強になりました。
<途中出場の山ノ井隆雅選手の適時打について>
総力戦なので。山ノ井はよく打った。それを後押しするベンチの一声というか、思いっきりよく行く環境を作ってくれた。そこは大きかったですね。
<その雰囲気作りは2次予選から継続して>
そうです。どんなにビハインドになっても、最後まで前向きにプラスに考えようと言ってきましたので、それを体現してくれたなと思っていますね。
<山ノ井選手にアドバイスは>
送ってないですね。あの選手はアドバイスを送るとあんまり良くないので(笑い)。そっとしておこうと。
<2年ぶりの都市対抗での勝利です>
素直にうれしいですし、こういうゲームをできたっていうのはほんとに勢いがつくと思いますので。パナソニックさんもすごくいいチームで、序盤、中盤とワンサイドになりかねないような展開で、完璧に抑えられていた。何があるかわからないのが都市対抗ですし、諦めずにやった結果だったのかなと思います。
<先発に九谷瑠投手を起用した理由は>
やはり私の中でも、コーチ陣の中でも経験を買いました。(2次予選で活躍した樋口投手と)同じような実力は兼ね備えているんですけども、やはり九谷に託したというところですね。
<九谷投手は六回だけが悔やまれる投球でした>
そうですね……。でも、よく3点に抑えてくれた。(六回途中で)継投を考えたんですけど、九谷もこれで終わるわけにはいかないっていうところで、もう1イニング投げさせた。結果的には(七回の失点)ゼロが生きた。これも野球だと思います。
<ソロ本塁打の9番・前田滉平ら頼れる選手が仕事をしました>
これもまさかなので、やっぱ9番打者がホームラン打つっていうのは……。らしくないことをした結果がこういう(二転三転の)流れになったのかなと思いますけどね(苦笑)。まあ、8番の細川(勝平)と前田は上位打線を任せてもおかしくない力を持ってますので。
あの回(先制した五回)は打線が湿りがちで、ちょっと大事に大事に行きかけてたのを、亀山(一平)コーチが前田に背中を押してアドバイスしたんだと思います。前田に思いっきり行かせたのが、ホームランを呼んだのかなっていう風に思います。
<野球部が頑張ると会社も盛り上がる>
そうですね。それが私たちの役目だと思っていますので。平日の月始めの忙しいところで、多くの方々が来てくださってというのは本当にうれしいと思いますし、こういう試合ができたっていうのは、何よりもうれしいですね。従業員の士気高揚っていうのは野球部のやるべきことかなと思いますし、こういう大舞台に出てきて、こういう試合をして、皆さんに喜んでいただくっていうのが、やっぱ私たちの使命だと思っています。
結果として泥臭い勝利だったかもしれないけど、ああいうので勝利に結びつけたっていうのは、ある意味うちらしいかなと思いますね。
<2次予選で苦しんで、都市対抗初戦でも厳しい試合をものにしました>
勝ち方っていうのはいろいろあると思うので、修正するところは修正しなきゃいけないなと思いますけども、こういう勝ち方ができたっていうのは勢いがつくと思いますし、次戦も厳しい戦いが来る中で、こういうふうに諦めずにやるんだよっていうのは再認識できたのかなと思います。そういう意味では、いいゲームでした。