低価格GPUが絶滅の危機。原因はやっぱり…?

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今こそが最安値、ということかもね…。

業界の半導体メモリ不足が続くなか、AMDとNvidiaは低価格GPUの生産を中止するかもしれないとの噂が出てきました。値段引き上げではなく生産中止というのは、大胆な動きといえますね。

ではなぜGPU向けのメモリが不足しているのか、その理由はやっぱりAIです。

データセンターが全部持ってっちゃう

一般的に、半導体メモリにはDRAMHBM(High Bandwidth Memory)の2種類があります。

DRAMは、PCやGPUに使われる身近な装置ですが、HBMはDRAMチップを3次元的に積み重ねた専門的なものです。高帯域幅と低消費電力が特徴で、主にAIや高性能グラフィックス向けに使われます。

で、近年のAI隆盛を見てもお察しの通り、あらゆる企業がデータセンターを建設しようとしています。データセンターはHBMを欲しがるので、SamsungやSK Hynixといったメモリの大手サプライヤーはDRAMよりもHBMの生産を優先する。

その結果として、利益率が低い低価格GPUにまわすDRAMがなくなった、というワケです。これは数年前に予想されていた状況ではありますが、RTX 4060や4050が生産中止となったら…さすがにヒヤっとしますね。

メモリ不足はしばらく続きそう

DRAMの価格は5ヶ月連続で上昇しており、しばらくは高水準が維持されるとみられています。この影響はPCやゲーム機といったリテールのかたちで見えてくるでしょう(こんな状況で値下げしたPS5はエラいと思う)。

「じゃあDRAMを増産してよ」と思うところですが、メモリ価格も需供バランスによって決定します。まだまだHBMの需要高は続くでしょうし、仮にDRAM増産に振ったとしても価格に反映されるまでは時間がかかるはず。

単体でメモリを買いがちな自作erなどは、今が最安値と割り切ってポチるか、「見」にまわるべきかもしれませんね。エントリー向けゲーミングPCなんかは価格どうなるんだろう?

Source: Wccftech

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