「東京五輪を覚えているか?」”勝者”メキシコ記者の質問に森保監督「GLだけ覚えている」
森保一監督
日本代表の森保一監督が現地時間5日、アメリカのオークランド・コロシアムで国際親善試合メキシコ戦(6日)の前日会見に出席し、「来年のW杯開催国であるアメリカ、そしてこの素晴らしい歴史のあるスタジアムで試合ができることを非常に光栄に思っている。来年のW杯に向けて、このアメリカの地で良い準備を進め、いろんな雰囲気を感じながら試合ができる素晴らしい機会をいただいた。チームの積み上げをしっかりしていきたい」と意気込んだ。 日本代表は2023年11月以降、アジア杯やW杯予選などでアジアの相手との対戦が続いており、メキシコ戦は約2年ぶりとなるアジア以外との国際試合。9か月後に控える北中米W杯本大会に向け、大事なリスタートの一戦となる。 まずは最終予選の戦い方で強豪国に挑む構え。森保監督は「明日の試合はまずアジア予選でやってきた我々の戦いをメキシコとの対戦でぶつけていく。そこから我々が何ができて、さらに何を上げていかないといけないか、何が足りなくて改善しないといけないかが見えてくる。最終予選でやってきたことをベースに明日の試合に挑みたい」と述べ、最終予選で採用した攻撃的3バックで臨むことを示唆した。 FIFAランキング13位のメキシコは17位の日本より上位。A代表では2020年11月にオーストリアで対戦し、0-2で敗れた。また森保監督は21年夏の東京五輪でも対戦しており、グループリーグではMF堂安律とMF久保建英のゴールによって2-1で勝利したが、メダルをかけた3位決定戦では1-3で敗れた苦い記憶を持つ。 記者会見では現地メディアから「東京五輪のメキシコ戦を覚えているか。明日の試合ではどのような変化を見せたいか」と挑発的な質問も向けられ、森保監督が「東京五輪のメキシコ戦はグループリーグの時だけ覚えている」と切り返す一幕もあった。 もっとも森保監督は「もちろん両方とも覚えている」と仕切り直し、「悔しい思いをしたし、目の前でメキシコの選手、チームが喜んでいるのを眺め、次の国際舞台、W杯では我々がこういう喜びの輪を作りたい気持ちになったし、もっと強くならなければならないと感じさせてもらった」と謙虚に応答。「ただ、悔しさだけで明日の試合を戦うという気持ちや、リベンジという気持ちはない。シンプルに我々がこれから世界、W杯に挑むにあたって、どれだけのことが世界の強豪国であるメキシコと対戦してやれるか、勝利を目指して戦いつつも、さらに成長できる戦いができればと思う」と冷静に意気込んだ。 メキシコ戦は現地時間6日午後7時、日本時間7日午前11時にキックオフする。 (取材・文 竹内達也)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集