TSMCの時価総額、台北市場で1兆ドル突破-AI関連の需要旺盛
Jeanny Yu
- TSMC株は18日に上場来高値更新-通期売上高見通し引き上げ好感
- AIブームでさらに市場で支配力を強めるとの投資家の信頼感を反映
半導体の受託生産大手、台湾積体電路製造(TSMC)の時価総額が先週、台北市場で初めて終値ベースで1兆ドル(約148兆円)を突破した。人工知能(AI)関連の旺盛な需要を受け、通期の売上高見通しを引き上げたことが好感された。
米アップルやエヌビディアの主要半導体サプライヤーであるTSMCの台湾上場株は18日に上場来高値を更新し、4月の安値からの上昇率が約50%となった。時価総額1兆ドルは、アジア企業としては2007年にペトロチャイナ(中国石油)が一時的に達成して以来初めて。
TSMCの株価急伸は、同社がAIブームを追い風にさらに市場で支配力を強めるとの投資家の高まる信頼感を反映している。同社は先週、通期の増収率見通しを約30%に上方修正し、AI向け製造能力を巡る競争が激化する中、同社が恩恵を受ける可能性を示唆した。
ブルース・ルー氏らゴールドマン・サックス・グループのアナリストは、TSMCの四半期決算発表を受け、「同社は先端プロセスの需要に対して、これまで以上に前向きな姿勢を示しており、AI関連顧客の需要にも減速の兆しは見られない」と指摘。26年にはより大幅な値上げが実施されるとの見通しを示した。
TSMCの米国預託証券(ADR)の時価総額は18日の取引終了時点で約1兆2000億ドルだった。
原題:TSMC’s Taiwan Stock Value Surpasses $1 Trillion Amid AI Frenzy (抜粋)
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