タワマンの外国人規制をしたら不動産市場はどうなる?
柏崎刈羽原発の再稼働の是非の判断が今月にも下されそうな情勢と報じらています。機運は再稼働承認の方向にあると認識しています。OKとなれば6号機の再稼働となるのでしょう。この議論も長かったと思います。個人的な印象は熟議というより時機到来な気がします。時が経てば人々の印象は変わってきます。なぜ印象なのかといえば県民に難しい技術の話を論理的に積み上げても感情論が先行していて長年、議論以前の状態だったのですが、ようやく気持ちの落ち着きどころが見つかりつつあるということではないかと思います。もちろん、政府の強力な後押しがあったことも事実です。もしも承認ならば東電は万全の体制で臨んでもらいたいと思います。
では今週のつぶやきをお送りいたします。
株式市場は「攻防」
市場が弱気に傾くのは何故か、といえばコンピューターが売買するので弱気に拍車がかかりやすいのでしょう。本来、株式市場は売り手と買い手のぶつかり合いで皆が皆同じポジションに立っているわけではありません。特にニューヨークのように世界中のマネーが集まるところでは価値基準はすべての投資家が違うものを持っています。ただ、今の相場は残念ながら一つひとつの銘柄を売り買いするリテール投資家(個人投資家)よりも機関投資家に圧倒的支配力があり、彼らは独自の情報力、分析力を持ち、あらゆるツールを駆使して市場に臨みます。しかも多くがコンピュータープログラム頼み。ここが一方通行になりやすい原因となります。
ダウもナスダックも見ていて正直、短期的には売り飽きています。ただ、ハイテク、AI関連株に買いを入れる勇気がないのです。エヌビディアの決算を控えていることと期待値があまり高まっていないことはあるでしょう。19日場引け後の決算発表、つまり20日の東京市場がその結果をもろに被ることになります。どういう結果にしろ、個人的にはあく抜けする気はしています。7-9月期の決算は日米の企業は総じて良好だったのです。決して悲観する内容ではなく、下落した銘柄はアナリストの事前予想に届かなかっただけなのです。私の手持ち銘柄の1つは前期比で売り上げ2倍、利益3倍でも暴落しました。となればアナリストの分析による暴落誘導説を唱えたくなりますよね。
ところで下落相場の中、もう一つ元気がないのがビットコイン。以前にも申し上げましたが、物品との直接換金性がほとんどないビットコインや金の相場は雲の中でふわふわしているようなもので唯一の価格論理性はその掘削コストであります。それを下回れば誰も掘削しないので価値は上がります。現在の価値はコストを大幅に上回っていますが、感性的な需給関係のみで価格が成り立つのでどうしても大きくぶれやすいのです。ビットコインの相場が回復するかはその希少性を金と同等のものと市場が認識できるかどうか次第です。金は世界の中央銀行が買うけれどビットコインを買った国家はごくわずか。日本でも企業がビットコインを買ったところが増えたけど大損で株価暴落だったと思います。相場って本当に難しいと思います。
タワマンも「攻防」戦か?
値上がりが続くタワマン。不動産市場の中でタワマンだけ別格になっている理由は希少性。東京でもタワマンや超高級な集合住宅を建てられる一等地はなかなか出てこなくなったのです。通常の住宅はまだいくらでも作れます。10数階建ての普通のマンションも珍しくも何ともありません。ですが、威圧感すらあるタワマンや一般人を寄せ付けない高級物件は別世界なのであります。そこに群がるのはお金に貪欲な投資家たちで日本だけでなく世界から買い手が集まります。私から見れば完全に錬金術の道具と化しているわけです。
MASA Sibata/iStock
ではこの状態を放置するのか、というと産経の独自取材によれば政府が東京、大阪、神戸、京都の取引実態調査を進めており、外国人の取得状況、転売の実態を踏まえたうえで報告書をまとめると報じています。当然ながら政府レベルで審議し、外国人対策の一環で一定の対策が打ち出されるとみています。個人的には空室税がベストだと思います。投機目的を排除し、エンドユーザーによる居住ないし、賃貸されていなければ固定資産税の標準課税基準額の2-3%を毎年空室税として所有者に課すべきでしょう。金額にすれば毎年500万円ぐらいになりますから投機目的は潰せます。これはカナダで実証済みで極めて大きな成果がありました。
基本的には不動産は居住目的であり、金儲けの道具にしてはいけないのです。大手不動産会社が建物引渡し前に転売「活動」した場合、手付没収、契約解除を打ち出しました。これもバンクーバーではもう20年以上前からやっていることで今更感が強いのですが、それほど日本の不動産取引はゆるゆるで身内にも客にも甘く、国交省は長年、公明党出身者が強い縛りなくやらせていたので緩み切っているのです。では不動産の外国人規制をしたら不動産市場はどうなるでしょうか?下がります。外国人も買わなくなり、不動産市場は「あれっ?」というぐらい激変します。となればデベロッパーなどの不満を政府が受け止められるか、ここが別の意味での攻防となります。
健康じゃないとアメリカに長期滞在できないぞー
アメリカ政府が新しく打ち出した長期滞在者向けのビザの要件に健康状態が加わりました。肥満、糖尿病、心臓疾患はビザ発給されなくなる公算が高いと思います。では肥満度がどれだけならダメなのか、糖尿も投薬されている人はダメなのか、がんを克服した人はどうなのかなど様々な疑問は残るし、アメリカはカナダと違い、有償で受診するのでそこまでセンシティブになるものなのか、という気はします。
カナダは医療が無料なだけに例えば妊娠中の人が長期滞在するビザは出にくいとされます。また家族帯同のケースでも中国や一部の東南アジアのように一族郎党でやってきたいという場合でも高齢者の長期滞在ビザは極端に出にくくなっています。理由は医療費負担が大きくなる可能性が高いからです。とはいえ、肥満とか糖尿、がんなどはなかなか自己コントロールしにくいものです。私も糖尿のボーダーラインと言われ、投薬の処方箋までもらいましたが、必死に拒み続け健康管理に留意し早3年。医者には会うたびに検査をさせられますが、数値はボーダーラインでとどまっています。ただ不思議な話で何がボーダーラインかは人によるとされ、一般的な数値が全てを語るわけでもないようです。私もカナダの複数の別の医者からは「君は大丈夫だよ」と念押しされています。
アメリカが今回打ち出した長期滞在の健康要件はアメリカの法律文章のようなもので細かい規定と規制にルールを制定するのが大好きな性分だからでしょう。世の中のルールを複雑怪奇にすることでどんな手を使ってでも封じ手ができるようにするわけです。法律に対峙するのが道徳で昔はいちいち成文化しなくても人と人はコミュニケーションで分かり合えたのです。だけど今や人流は激しいし、誰もお互いを信用しないのでルールばかりが先に出てくるわけです。トランプさんもある意味、時代の先端を行くわけでルールに次ぐルール制定で「ほれ、どう見たことか!」と思っているのだと思いますが、そのうち、自分がそのがんじがらめの法律で躓くこともあるのではないでしょうかね?
後記 パーティーシーズンの前哨戦だからか、あるご招待でバンクーバーで最も高級なハイブランドなどを扱う店舗の一部を貸し切り、BC州の自慢のワインを飲みながらショッピングをするという奇抜なイベントに参加しました。各店舗、今年もアドベント カレンダー ボックスを推しており、Diorのは11万円。港区女子なら飛びつくでしょうね。ちなみにワインもBC州で初めて100点を取ったMission Hill Wineryの2020年物のOculusも惜しみなく試飲させてくれました。ちなみに一本24000円也。個人的にはザッカーバーグ氏が着ているブルネロ クチネリの白いTシャツを探したのだけど見つけられず。まぁ、たまにはそういう非日常の世界に浸るのも悪くないです。
では今日はこのぐらいで。
編集部より:この記事は岡本裕明氏のブログ「外から見る日本、見られる日本人」2025年11月15日の記事より転載させていただきました。