町田での9G10Aで掴み取った“1年4か月ぶり復帰”に相馬勇紀「もう失うものは何もない」
MF相馬勇紀
今季のJ1リーグで残した9ゴール10アシストという圧倒的な実績を引っさげ、FC町田ゼルビアMF相馬勇紀が日本代表に帰ってきた。相馬は合宿初日の練習後、報道陣の取材に応じ、「久しぶりに八咫烏のエンブレムを着られる喜びとワクワクがある」と高揚感を口にした。 日本代表活動に参加するのは今年7月のEAFF E-1選手権以来だが、E-1選手権は国内組のみで編成されたチーム。海外組を交えた代表に入るのは昨年6月の北中米W杯アジア2次予選以来1年4か月ぶりで、昨年7月の町田加入後では初めてとなった。 今回は同世代のMF三笘薫が左足首負傷のため招集されず、代役として食い込んだ形。相馬は「今回でいえば三笘選手のケガもあったと思うけど、どういうタイミングで入るかはわからないので、常に結果を出し続けていけばチャンスがあるかなと思っていた。そこが(復帰に)つながったのかなと思う」と自身の立場と向き合いながらも、野心に燃えている。 「もう自分は失うものは何もない。ここから食っていくじゃないけど、メンバーに食い込むプラスのエネルギーしかない。楽しみな気持ちとやってやろうという気持ちだけがあるので、フレッシュな良い気持ちで挑めていると思う」 所属先の町田では今季3-4-2-1のシステムで左シャドーを担っているが、A代表ではウイングバック起用が想定される。それでも「おそらく僕もそういったイメージはしている。攻撃の部分ではチームでも僕がウイングバックの位置を取って、ウイングバックの選手が中を取るというローテーションはしているので、普段と違うイメージはない。同じようなイメージでできると思う」と適応に不安はない。 コスタリカ戦のみの出場にとどまった22年末のカタールW杯後、1年半にわたってポルトガルのカサピアでプレーしていた相馬。その間、日本代表では23年6月、同11月、昨年3月、同6月、今年7月と計5回の活動に招集されてきたが、アジア圏外の相手と対戦する機会は23年6月のエルサルバドル戦とペルー戦だけしかなく、今回のパラグアイ戦(10日、パナスタ)とブラジル戦(14日、味スタ)は世界に通用する姿を示すためにも大事な2試合になる。 「今はJリーグでやっているぶん、普段から海外の選手との身体のぶつかり方はやっていないけど、(海外移籍で)そこの経験はあるし、毎回代表戦があるたびに自分だったらどういうプレーをするかという見方で見ていたので、それをやれるのがすごく楽しみという気持ち」。不完全燃焼に終わった前回W杯から約3年、成長した姿で2度目のW杯への足掛かりを掴めるか。 (取材・文 竹内達也)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中