【米国市況】円が149円台前半に上昇、関税の詳細受け-国債は上昇

2日のニューヨーク外国為替市場で円は対ドルで小幅高。トランプ米大統領による関税発表後に一時下げ幅を拡大し、0.6%安の1ドル=150円49銭を付けた。その後、関税政策の詳細が明らかになると、もみ合いながら上げに転じた。

為替 直近値 前営業日比 変化率 ブルームバーグ・ドル指数 1271.15 -2.13 -0.17% ドル/円 ¥149.39 -¥0.22 -0.15% ユーロ/ドル $1.0833 $0.0040 0.37%     米東部時間 16時52分

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  円は朝方には一時149円10銭まで買われる場面もあった。ユーロは上昇。トランプ氏が打ち出す関税措置に対応して欧州連合(EU)が緊急支援策を準備しているとの報道が材料視された。

  インベスコのシニアポートフォリオマネジャー、クリスティーナ・キャンプメニー氏はトランプ氏の関税が米成長を落ち込ませるとの予想に基づき、ドルに対する弱気な見方を強めている。

  「これは実際に大きなドル安のストーリーになり得るというのが最大の懸念だ」とキャンプメニー氏は相互関税の発表前にインタビューで指摘。「われわれは当初から、関税が成長に及ぼす悪影響について強く懸念してきた」と述べた。

  TDセキュリティーズの外国為替・新興国戦略部門グローバル責任者マーク・マコーミック氏は、「グローバル化した経済から、より国内重視の経済へと大きく転換することになる。その先にどのような世界が待ち受けているのか誰にも分からない」とブルームバーグテレビジョンで述べた。

  デリバティブ市場では、ヘッジファンドがドルのロングポジションを1月の直近ピークから大幅に減らしているものの、ドルに対して強気な姿勢を維持していることが、米商品先物取引委員会(CFTC)が公表したポジションデータでは示されている。

株式

  米株式相場は上昇。トランプ大統領による関税の発表を前に、荒い展開となった。関税政策が発表されると、株価指数先物はいったん上昇したものの、欧州連合(EU)に20%、日本に24%の関税など詳細が明らかになり始めると、次第に売りに押された。

株式 終値 前営業日比 変化率 S&P500種株価指数 5670.97 37.90 0.67% ダウ工業株30種平均 42225.32 235.36 0.56% ナスダック総合指数 17601.05 151.16 0.87%

  S&P500種株価指数は一時1%余り下げた後、同率で値上がりする場面もあった。テスラは5.3%高。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がトランプ大統領の顧問としての役割から近く退く可能性があると示唆する報道を受けて、マスク氏が同社経営に専念するとの期待が広がった。マスク氏はこれについて、「フェイクニュース」だとX(旧ツイッター)に投稿した。

  アマゾン・ドット・コムも高い。人気の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の米事業買収をホワイトハウスに提案した。内情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

  ウォール街全体を見ても、トランプ氏の報復関税に関して市場が何を予想しているのか、明確なコンセンサスはなかった。

  ジョーンズトレーディングのデーブ・ルッツ氏はこの日の関税発表について、「ニュースで買う(バイ・ザ・ニュース)」イベントになると一部では考えられていると述べた。不確実性が多少なりとも取り除かれるからだという。

  ナットアライアンス・セキュリティーズの国際債券責任者アンドルー・ブレナー氏は、「言うほどは悪くない」とみており、実際の影響は小さいと予想している。

  ファンドストラット・キャピタルの金融アナリスト、トム・リー氏はトランプ氏が株式市場を気にかけているとの兆候はあるとし、市場が好意的に反応すれば同氏の交渉姿勢を正当化することになると述べた。

  ジャナス・ヘンダーソンのポートフォリオマネジャー、オリバー・ブラックボーン氏は関税が景気に及ぼす影響を巡って懸念は強いものの、米国株は依然として相対的に割高だと指摘した。

  ミラー・タバクのマット・メイリー氏は、今回の発表が短期的に株価を押し上げる要因になったとしても、今年のファンダメンタルズ環境を完全に「織り込む」には、相場は3月の安値を下回る必要があるかもしれないと話した。

  バーンセン・グループのデービッド・バーンセン最高投資責任者(CIO)は、ワシントンで起きていることを読み解いて投資戦略を調整するよりも、関税への懸念がある時だけでなく、あらゆる局面で優れたキャッシュフローを生み出せる企業への投資に注力していると語った。

国債

  米国債相場は関税政策発表後にもみ合った後、再び上昇に転じた。朝方にも上げて、5年債利回りは昨年10月以来の低水準を付けていたが反転。EUが緊急の景気支援策を計画していることを受け、欧州の国債利回りが上昇したことに連れる動きとなっていた。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率 米30年債利回り 4.50% -2.8 -0.63% 米10年債利回り 4.12% -4.6 -1.10% 米2年債利回り 3.85% -3.5 -0.90%     米東部時間 16時52分

  オプショントレーダーは米国債の上昇がさらに続くと見込んでおり、金利低下への大きな賭けや予想より大幅な米利下げ期待が金利関連デリバティブに反映されている。

  強気見通しは現物債市場でも見られ、JPモルガン・チェースの今週の顧客調査では、ネットロング(買い越し)が1カ月ぶりの高水準となった。

  ウルフ・リサーチのクリス・セニェック氏は、「関税が予想よりも『良い』か『悪い』かにかかわらず、不確実性は少なくとも数カ月は続くと考えている。米経済見通しに焦点が移っていく一方で、市場はあらゆるニュースに非常に敏感な状態が続くだろう」と述べた。

原油

  ニューヨーク原油相場は反発。トレーダーらは米政府の関税発表に身構えている。株価の上昇も意識された。

  トランプ氏が2度目の大統領就任を果たして以来、市場にあふれる相反する材料に関税が加わった。ロシアとイランへの制裁が両国からの石油供給を抑制する可能性がある一方、石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」が今月始める増産は、供給だぶつき不安を増幅させている。

  米国はロシアへの締め付けをさらに強める方向だ。米上院議員50人で構成する超党派グループが新たな対ロシア制裁法案を提出した。プーチン大統領がウクライナとの誠実な停戦交渉に応じない場合や最終合意に違反した場合、ロシアおよび同国産石油輸入国に打撃を与える内容だ。

関連記事:米上院超党派グループ、新たな対ロシア制裁準備-500%の関税賦課も

  CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「やはり気になるのは供給リスクだ」と語る。「しかし関税が恐れていたほどひどい内容ではないとの見通しで株価が上昇し、原油も便乗している」と述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物5月限は、前日比51セント(0.7%)高い1バレル=71.71ドル。ロンドンICEの北海ブレント6月限は0.6%上昇の74.95ドル。

  ニューヨーク金相場は反発。トランプ政権による関税発表を目前に控え、最高値に向けた上昇を再開した。一時0.7%高となった後は、やや失速した。

  関税の発表を待つ金融市場では新たなボラティリティーの波が起きている。不確実性は概して金には追い風となり、金は今年15回余りも最高値を更新。新たな関税が貿易や世界経済、地政学に及ぼす影響に投資家は神経質になっている。

  金は今年のコモディティー(商品)市場の中でも特に堅調に推移し、1-3月に19%上昇。四半期ベースでは1986年以来の好成績を上げた。中央銀行による安定した購入に加え、安全性に逃避する動きが活発化した。金を裏付けとする上場投資信託(ETF)の金保有高は、2023年9月以来の高水準に増加した。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後2時40分現在、前日比8.70ドル(0.3%)高い1オンス=3122.08ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物6月限は20.20ドル(0.6%)高の3166.20ドルで引けた。

原題:Dollar Falls, Euro Rallies Before Trump Tariff Plan: Inside G-10(抜粋)

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