新型プレリュードの足回りはFF最強!? シビックTYPE Rとはどこが違うの?
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かつてデートカーの王座に君臨したプレリュードだが、新型は圧倒的な走行性能を持つハイブリッドスポーツに仕上がっている。ここではシビックTYPE R譲りの足回りにフォーカスを当てて、両車の違いを紹介しよう。
文:ベストカーWeb編集部/写真:森山良雄
【画像ギャラリー】切れ味鋭いプレリュードの走りを見て!(9枚)新型プレリュードはあえてルーフをしならせて路面入力を減衰させる
足回りについて語る前に、新型プレリュードのシャシーについて触れておこう。プレリュードはシビックTYPE Rと基本シャシーを共用しており、ボディの素性自体が非常に高いレベルにある。
とはいえシビックTYPE Rと新型プレリュードでは乗り味が異なる。シビックTYPE Rが、優れたシャシー性能を速さとハンドリングに使ったのに対し、新型プレリュードはそいつをリニアなハンドリングとフラットライドな乗り心地に使っているのだ。
たとえば新型プレリュードのルーフ部分はあえてたわむ構造となっている。これも路面からの入力を減衰し、スムーズな乗り心地を生み出す工夫といえる。
ホイールベースも違う。新型プレリュードのホイールベースは2605mmで、シビックTYPE Rの2735mmと比べるとかなり短い。この点も乗り味の違いを生んでいることは間違いない。
新型プレリュードのデュアルアクシス・ストラットサスペンション(フロント)
さて新型プレリュードの足回りだが、大きなトピックは2つある。ひとつは「デュアルアクシス・ストラットサスペンション」、もう一つは「アダプティブ・ダンパーシステム」の採用で、どちらもシビックTYPE Rが先駆けた技術だ。
まず前者の「デュアルアクシス・ストラットサスペンション」だが、ストラット式サスペンションのシンプルな構造は活かしつつ、ナックルとダンパーを分離することで、キャンバー変化やトルクステアといったストラット式のデメリットを解消しようというもの。
実際その効果は絶大で、新型プレリュードは高剛性かつタイヤ接地性に優れたジオメトリーを実現している。高応答ステアリングや等剛性ドライブシャフトなどもあいまって、優れた路面追従性と操舵応答性を両立させており、その完成度は非常に高いといえる。
新型プレリュードのドライブモードはセンターコンソール左のレバーで切り替える
もうひとつの「アダプティブ・ダンパーシステム」だが、4輪のストロークセンサーと各所の加速度センサーにより、4本のダンパーの減衰力を瞬時に独立制御する電制サス。シビックTYPE Rにも採用されていた技術だが、TYPE Rの「+R」モードのような高減衰領域はプレリュードにはない。
代わって新型プレリュードは「COMFORT」「GT」「SPORT」という3つのドライブモードを用意した。「+R」ほどではないにしろ、「COMFORT」と「SPORT」ではある意味背反する乗り味を両立しているのは見事といえる。
クローズドの試乗コースを走った感じでも、「COMFORT」におけるロールを許しつつしなやかにボディを受け止める感覚と、「SPORT」におけるダイレクトなシャキッとしたドライブフィールがはっきりと差別化されていた。
さていかがだろうか。総じていうと、長距離をいきいきと、快適に走るというGT性能において、新型プレリュードはシビックTYPE Rよりも一日の長があるといえる。ロングドライブ派なら、その乗り味の気持ちよさは一度は経験すべきといえよう。