A代表デビューに燃える小久保玲央ブライアン、初招集GK恒例”綺世キャノン”の洗礼に驚愕「反応した時にはネットが揺れていた」
GK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)
日本代表初招集に「泣いて喜んだ」という熱き守護神は、自身初の国際Aマッチを経てさらに燃えていた。「まずA代表のベンチに入れてすごく自分の気持ちも高まったので、しっかり次の試合に出られるようにベストを尽くしていきたい」。ガーナ戦から一夜明けた15日、GK小久保玲央ブライアン(シントトロイデン)は高らかに宣言した。
正GKを務めたパリ五輪からまもなく1年半、シントトロイデンでの活躍を経てようやく辿り着いたA代表の舞台。GK早川友基(鹿島)がゴールマウスを託されたガーナ戦をベンチから見守り、ただ国際Aマッチのムードから刺激を受けるだけでなく、積極的にその空気感を身体に刻みつけようとしている。
「ハヤくんと試合後に話して、ハヤくんも『いつもは見えている間のパスコースが見えなかった』という話とか、やっぱり代表でやるプレッシャーというのは聞いたので、いい情報を得られた。もし試合に出たらそういうところも考えながら、しっかり自分にプレッシャーをかけずに安定したプレーをしたい」(小久保) 欧州各国のトップで戦う選手たちが一堂に会する日本代表。「円陣の声掛けであったり、みんなが一人のことを気にしながら、一人ひとりがみんなのことを気にしながらというのがすごく伝わってきた。全員が盛り上げているなというのを感じた」(小久保)。ピッチ内外で“A代表基準”を味わいながら活動期間を過ごしている。 パリ五輪という大舞台を正GKとして経験した小久保であっても、その空気感は「A代表と五輪で考えてしまうと全然別物」と言い切る。「パリ五輪の経験はあったけど、全然なかったことに近いようなレベルだし、そこに自分も追いついていかないといけない」とさらに志を高め、A代表デビューを目指している。そのA代表基準を象徴するのが、数々の初招集GKが口を揃えて驚愕するFW上田綺世(フェイエノールト)のシュートだったという。
「やっぱりシュート練習とかそういうところでもワンテンポ早いなというのがあって、自分もポジションを取り切れなかったり、タイミングも合わなかったりしていて、もう少し早くステップを運んでシュートに対応することが大事。シュートスピードも全然違うので。特に綺世くんだったりは自分の受けたシュートの中でも一番だったかなと思っているので、そのシュートを止められるようになりたいなと思っています」(小久保) 柏レイソルU-18からベンフィカに渡り、UEFAユースリーグやトップチームの練習で数々のストライカーと対峙してきた小久保だが、上田のシュートは「全然上ですね」と苦笑いを見せる。「昨日のウォーミングアップで入っていたけど別格でした。あの振りでミサイルみたいなのが飛んでくるので、自分も動けないし、動いて止めたとしても自分の肩がどうなっちゃうのかなと(苦笑)。反応した時にはもうゴールネットが揺れていたので。びっくりするくらいのシュートでした」。セリエAでプレーするGK鈴木彩艶も「一番すごい」と評するなど、もはや日本代表の恒例行事となりつつある“綺世キャノン”の洗礼。小久保も懸命に食らいつくことで、さらなる成長の糧になるはずだ。
(取材・文 竹内達也)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集▶日本代表の最新情報はポッドキャストでも配信中