NY市場サマリー(4日)株急落、ドルは対ユーロで上昇・利回り低下

<為替> ドルがユーロに対して4カ月ぶりの高値を記録した。米連邦準備理事会(FRB)内の意見の分裂が、年内の追加利下げの可能性に疑問を投げかけた。さらに、リスク回避の動きが強まり、安全資産として米ドルを求める投資家が増えたこともドルを支援した。

一方、英財務相が予算案を巡り「困難な選択」を迫られると述べたことを受け、ポンドは下落した。

ユーロは5日続落。0.3%安の1.1483ドルとなり、8月1日以来の安値を記録した。

ドル/円は0.4%安の153.60円。ただ、それでも円は最近の約8カ月ぶりの安値付近にとどまっている。

NY外為市場:

<債券> 国債利回りが低下した。株式と社債に対する過度な評価が懸念されており、最終的に調整局面に向かう可能性があるとの見方から、安全資産である国債に需要が集まった。

米金融大手トップが株式相場の調整リスクを警告したことを受け、ハイテク株主導の株高は失速した。

午後の取引で、10年債利回りは約1.8ベーシスポイント(bp)低下の4.089%。

米政府機関の一部閉鎖の影響で、7日に予定されていた雇用統計の発表は見送られる見通し。労働市場の健全性と、米連邦準備理事会(FRB)の次回12月会合での追加利下げの可能性を見極めようと、市場では米ADPリサーチ・インスティテュートが5日発表する全米雇用報告に注目が集まっている。

米金融・債券市場:

<株式> 急落して取引を終えた。銀行大手が株価調整の可能性について警告し、割高なバリュエーションに対する懸念が高まっていることを浮き彫りにした。

モルガン・スタンレー (MS.N), opens new tabのテッド・ピック最高経営責任者(CEO)とゴールドマン・サックス(GS.N), opens new tabのデービッド・ソロモンCEOは4日、株式市場が調整局面に向かう可能性があると警告。これを受け、主要3指数はいずれもマイナス圏に落ち込んだ。
情報技術セクター(.SPLRCT), opens new tabがハイテク株中心のナスダック総合(.IXIC), opens new tabを押し下げた。人工知能(AI)関連のモメンタム銘柄が下げを主導した。 フィラデルフィア半導体指数(.SOX), opens new tabは4.0%安となった。 データ解析企業パランティア・テクノロジーズ(PLTR.O), opens new tabは第4・四半期の売上高見通しが市場予想を上回ったにもかかわらず、株価は8.0%急落した。同社株は年初来152%以上急騰している。

米国株式市場:

<金先物> 対ユーロでのドル高などを背景に、反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比53.50ドル(1.33%)安の1オンス=3960.50ドルと、中心限月の清算値ベースで10月上旬以来約1カ月ぶりの安値水準を付けた。

NY貴金属:

<米原油先物> ドル上昇に伴う割高感などに圧迫され、5営業日ぶりに反落した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.49ドル(0.80%)安の1バレル=60.56ドル。1月物は0.44ドル安の60.31ドルだった。

NYMEXエネルギー:

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