米PPI、9月は前月比で上昇に転じる-エネルギーや食品高騰が影響
9月の米生産者物価指数(PPI)は前月比で上昇に転じた。エネルギーと食品の価格上昇を反映した。
キーポイント- PPI(最終需要向け財・サービス)は前月比0.3%上昇
- エコノミスト予想の中央値も0.3%上昇
- 8月は0.1%低下
- 前年同月比では2.7%上昇
- 市場予想は2.6%上昇
- 8月は2.7%上昇(速報値2.6%上昇)に上方修正
食品とエネルギーを除いたコアのPPIは前月比0.1%上昇。前年同月比では2.6%上昇し、2024年7月以来の低い伸びにとどまり、予想も下回った。
この統計は当初、10月16日に発表予定だったが、政府機関の閉鎖により遅れていた。労働省労働統計局(BLS)は、10月分のPPI発表日については今回のリリースでは明らかにしなかった。
10月24日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回る伸びにとどまった。今回のPPIの内容からは、企業が高関税によるコスト増を補うために価格転嫁を進める一方、値上げが顧客離れを招くことを懸念し、価格引き上げ幅を抑制している様子がうかがえる。
同時に発表された9月の小売売上高は小幅な増加にとどまった。過去数カ月にわたって堅調な個人消費が続いた後、一部で買い控えの動きが出ていることが示唆された。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サル・グアティエリ氏はリポートで、「きょう公表された2つの指標には、経済の底堅さとインフレに関してわずかながら弱さが見られた。これにより、市場では来月の追加利下げへの期待が続いている」と述べた。
9月のPPIに加え、12月5日に発表される個人消費支出(PCE)価格指数は、連邦公開市場委員会(FOMC)が12月9〜10日に開催する次回会合までに得られる、数少ない重要なインフレ指標だ。インフレ率がなお目標を上回る中で、雇用見通しをめぐる議論が続いており、政策当局者の間では利下げの是非について意見が分かれている。
財の価格は0.9%上昇し、そのうち60%はガソリン価格の上昇によるものだった。食品とエネルギーを除いた消費財の価格は、3月以来の小幅な上昇となった。
サービス価格は前月に低下していたが、今回は横ばいとなった。機械・設備の卸売業者のマージンが低下した一方、食品卸売業者では上昇した。航空旅客サービスのコストも上昇した。
エコノミストや投資家がPPIを注視するのは、カテゴリーの一部がFRBが重視するインフレ指標であるPCE価格指数の算出に使用されるためだ。
航空運賃に加え、そのカテゴリーはまちまちの内容となった。ポートフォリオ運用手数料や病院の外来診療費が低下した一方、介護施設の利用費は上昇した。
食品、エネルギー、貿易サービスを除いた変動の少ないPPIは前月比0.1%上昇と、3カ月ぶりの低い伸びにとどまった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Producer Price Index Rises on Higher Energy, Food Costs (3)(抜粋)