パーク24、海外で再起図る 縮小の英国事業「コロナ禍で計画に狂い」
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パーク24は海外事業の立て直しに乗り出す。債務超過に陥っていた傘下の英国企業の更生手続きに入り、好調な台湾を中心に事業の再拡大を目指す。同社は国内の駐車場市場の縮小をにらみ、2010年代にM&A(合併・買収)を通じた海外展開を進めた。ビジネスモデルの相違に新型コロナウイルス禍が重なったことが裏目となった。
「新型コロナ禍によって事業プランが大きく狂った」。18日に開いたオンライン説明会において、実貴孝夫取締役兼最高財務責任者(CFO)は英国事業についてこう述べた。
同社は16日、傘下の英駐車場大手ナショナル・カー・パークス(NCP)が倒産更生手続きに入り、経営破綻すると発表した。負債総額は3億5264万ポンド(約700億円)。17日にはNCPの全株式を保有する中間持ち株会社2社の清算も明らかにした。
英国では小型の駐車場を中心に事業を継続する。ただ、運営数は約100件と直近から約8割減る。発表を受けてパーク24株は上昇し、18日終値は前日比9.7%高の2090円50銭をつけた。
パーク24は空き用地を借りて時間貸しの駐車場として貸し出すサービスを展開する国内最大手だ。国内の人口減を見据え、00年代から海外に触手を伸ばす。06年には台湾に進出したほか、17年には「セキュアパーキング」ブランドで展開する事業のうち、オーストラリアやシンガポールなど5カ国分について買収した。
同年には日本政策投資銀行と共同でNCPを買収した。その後に日本政策投資銀行から株式を追加取得した分も含めると、取得額は520億円超に上った。
NCPは買収当時から債務超過だった。利益率も数%と、20%前後の国内に比べると低水準だった。
それでも、当時は勝算があるとみていた。大型駐車場を安定した収益源としたうえで、ロンドン郊外や地方都市などで数十台規模の小型駐車場を開発して採算を改善する算段だった。買収当初は年10億円以上の営業利益を稼いだことで、パーク24はさらなる拡大へと動き出そうとしていた。
その矢先の20年に起きたコロナ禍で暗転した。移動制限により自動車の利用が急減し「稼働がほぼゼロに落ち込む状況に追い込まれた」(実貴氏)。在宅ワークの普及によって、コロナ禍が明けた以降も思ったほど稼働率は戻らなかった。
日英の駐車場ビジネスの違いもあだとなった。日本の大都市では小規模な駐車場を分散配置し、短期貸しによって回転率を高める手法が一般的だ。
一方の英国は、空港や駅などに併設された大型の駐車場を長期契約で運営する形態が中心となる。利用が減っても契約解除がしにくく、賃料負担だけが重くのしかかるようになった。
貸主に支払う土地などの賃料は、インフレに連動する契約が主流だ。コロナ禍にはロシアがウクライナを侵略し、エネルギー価格が急上昇した。競争環境から上昇分を駐車料金に転嫁しづらく、債務超過の解消どころか、赤字がさらに積み重なっていった。
パーク24は人員削減などによる改善を進めたが、27年4月に適用される新リース会計基準によって英国事業に新たな減損リスクが生じた。結局、「あらゆる選択肢を検討した上で追加投資は困難」(同社)とみてNCPの再建を断念した。
足元の海外事業は6カ国・地域で駐車場事業を手がけ、売上高全体の比率は約2割を占める。足を引っ張り続けた英国事業を止血したことで、今後は海外事業の再成長に本格的に取り組む。
まず業績が低調なオーストラリアについては、短期契約の小型駐車場を増やすほか、赤字の施設の解約を進めることによって採算を改善する。シンガポールでも事業戦略を見直すことを検討している。
一方で、日本式のビジネスモデルによって業績が好調に推移する台湾と、マレーシアに経営資源を集中させる。短期貸しの駐車場をさらに増やすことでサービスを拡大する。一連の取り組みにより、26年10月期の海外駐車場事業の売上高は前期比4割減となるものの、経常損益は13億円の黒字を目指す。
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