アップル、一部のiPhone 16 / 15 Pro購入者に総額390億円を支払い

 米アップルが、iPhoneのAI機能をめぐって消費者を誤認させたとする集団訴訟で和解した。同社は5月5日、対象期間中に「iPhone 16」シリーズや「iPhone 15 Pro」シリーズを購入した米国在住ユーザーに対して、総額2億5000万ドル(約390億円)を支払うことで合意。1台あたり最大95ドル(約1万4000円)が返還される可能性がある。

 アップルにとって、今回の和解はAI戦略の遅れを改めて印象づける出来事となった。同社はここ数年、生成AI機能の展開でAndroid勢に後れを取っていると指摘されてきた。

 鳴り物入りで発表された「Apple Intelligence」も、2024年9月発売の「iPhone 16」シリーズでは一部機能の先行投入にとどまった。その後も追加機能は段階的にリリースされているが、目玉とされた強化版「Siri」は2025年中の提供が見送られ、現時点でも実装されていない。

 こうした状況を背景に、「アップルはiPhoneのAI機能を誇大に宣伝した」として、同社を相手取った集団訴訟が複数提起されていた。今回の和解は、それらの訴訟をまとめて解決するものだ。ただし、アップルは和解にあたって不正行為を認めていない。

 同社は取材に対し、「Apple Intelligence」のローンチ以降、「ビジュアルインテリジェンス」「ライブ翻訳」「作文ツール」「ジェン文字」「クリーンアップ」など、多数の機能を追加してきたと説明している。

 「当社は、2つの追加機能の提供をめぐる申し立てを解決するため、和解に至った。この問題に区切りをつけることで、最も革新的な製品とサービスをユーザーに届けるという本来の業務に集中できる」とアップルの広報担当者は述べた。

 返金の対象となるのは、米国在住者で2024年6月10日から2025年3月29日までの期間に「iPhone 16」シリーズ、「iPhone 16e」、「iPhone 15 Pro」、「iPhone 15 Pro Max」のいずれかを購入したユーザー。基本支給額は1台あたり25ドル(約3800円)で、申請件数に応じて変動する仕組みだ。受け取り上限は1台あたり95ドル(1万4800円)となっている。

 訴訟で問題視されたのは、アップルが「Apple Intelligence」の一部機能を大きく宣伝していた点だ。原告側は、iPhone 16シリーズの発売時や「iPhone 15 Pro/Pro Max」へのアップデートで提供されるはずだった機能について、アップルが広告で強く打ち出し、消費者の購入判断に影響を与えたと主張していた。

 和解書面では、アップルが「欺瞞的な広告で市場を埋め尽くし、強化版『Siri』の特定機能を約束することで、消費者にiPhoneを購入させた」とする原告側の主張が記されている。

 強化版「Siri」は今も提供されていない。アップルは1月、オンデバイスアシスタントの刷新に向け、グーグルの「Gemini」のAIモデルとクラウド技術を活用すると発表した。一部報道では2月の投入が示唆されていたが、実際には実現しなかった。MacRumorsによると、グーグルはその後、このアップグレードが2026年末までに提供される見通しだと認めた。

 和解書面では、アップルが今後のソフトウェアアップデートで「Apple Intelligence」に対応したSiriの追加機能を、追加料金なしで提供する予定であることにも触れている。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を4Xが日本向けに編集したものです。

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