ロッテ・サブロー新監督、“地獄の伊東キャンプ”ばりの猛特訓を予告「嫌われても全然構わない」…師匠は元G戦士

 ロッテ・サブロー新監督(49)が8日、ZOZOで就任会見に臨んだ。複数年契約で背番号は86。史上初めてとなる日本人でのカタカナ登録名の指揮官は、最下位からの立て直しを図るべく今秋、来春に向けて「昭和のキャンプになる」と厳しさを前面に打ち出すことを予告。早速練習の指揮も執るなど、積極的に動いた。

 久しぶりのコールに新監督の表情が緩んだ。「千葉ロッテマリーンズ、新監督、サブロ~~~~~~~」。会見の司会は昨季まで場内アナウンスを担当した元球団職員の谷保恵美さん。高い声で「サブロ~」と語尾を伸ばすアナウンスでおなじみだった。サプライズの登場に「何か懐かしいですね。でも、ちょっと腕が落ちたかな」と谷保さんをイジって笑わせた。

 背番号86は現役時代に師事した元監督の故・山本功児さんがつけていた番号。2軍で鍛えられ、1軍でレギュラーに抜てきしてくれた恩人でもある。「すごい熱い方で朝から晩までずっと練習に付き合ってくれるような監督でした。そこはまねしていきたい」。今季チームは56勝84敗3分けの借金28で、優勝したソフトバンクとは31・5ゲーム差に沈んだ。意識改革は練習から。「今年ダントツの最下位で、難しいチーム作りにはなると思いますけども、甘さを取り除いて厳しい練習をして若い選手が羽ばたけるようなチームにしていきたい。秋、(来)春は厳しいキャンプになる」と予告した。

 実体験になったのが自ら2軍監督として「昭和のキャンプをやろう」と掲げた今年2月の都城キャンプ。「めちゃくちゃ厳しい練習に耐えてきて、1年間けがする選手が少なく、技術的にもすごいパワーアップした」と振り返る。今秋、来春のキャンプを「先にウェートトレーニングをやって体を作りながら午後から打ちっぱなし、守りっぱなし、走りっぱなしくらいの感じでできたら」とイメージ。まずは本拠で秋季練習を行い、今月末からは都城で秋季キャンプを張る。山本さんが巨人の現役時代に体験した「地獄」の代名詞、伊東キャンプのような厳しい練習で選手を鍛え上げるつもりだ。

 会見から2時間30分後の15時からさっそく練習。全日程終了から休みは2日だけで、新監督が会見当日に始動するのも極めて異例だ。「嫌われたくないという指導者がいると思うんですけど僕、嫌われても全然構わないので。熱い監督でいたいですね」。強い覚悟を胸に、サブロー監督が動き出した。(秋本 正己)

 ◆サブロー監督に聞く

 ―就任要請を受けた時期とその時の気持ちは。

 「話をいただいたのは4日の夜。ちょっとビックリしました。大変ですけど今いる選手は僕がほとんどファームで見てきたので、この子たちと優勝できたらいいと考えていました」

 ―若い選手を含めて来季以降はどういう戦いを。

 「厳しい練習に耐えてもらって、精神的にも肉体的にも強いチーム、強い選手たちになってほしい」

 ―優勝争いをするにあたって何が一番必要か。

 「全てですね。バッテリーの問題もあり、攻撃的な問題もあり、守備、全てにおいて他の5球団には負けていると思うのでイチからやり直していきたい」

 ―来シーズンの目標。

 「最終的には優勝ですけど、一つ一つ階段を上りながら勝利できたら」

 ―来季はどういった選手に活躍を期待するか。

 「ベテランから中堅、若手含め、競争になると思います。一番いい結果を出した選手を使いたい」

 ◆地獄の伊東キャンプ 1979年、5位に終わった巨人・長嶋監督は36年以来43年ぶりの秋季キャンプを静岡・伊東市で25日間にわたって実施。当時若手だった江川、中畑ら18選手が参加。毎日午前10時から約7時間練習が行われ、投手は1日平均10キロの走り込み、野手は1日1000スイング以上の打撃練習が義務付けられ「地獄の伊東キャンプ」と呼ばれた。

 ◆サブロー新監督の1日

 ▽12時 高坂球団社長とともに登壇し、あいさつ

 ▽同5分 司会の谷保さんが「新監督、サブロ~」とコール

 ▽同33分 谷保さんから花束を受け取る

 ▽15時 練習開始

 ▽17時30分 練習終了

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