「Pixel 10」をさっそく1週間使ってみた--「iPhone」からの乗り換えを検討したくなる出来栄え

 Googleの「Pixel」は、これまで多くのユーザーを満足させる優れた仕様と機能を備えたフラグシップスマートフォンとして評価されてきた。そのため、最新モデルである「Pixel 10」に乗り換えたときも、特別な驚きは期待していなかった。しかし、1週間使ってみて、その考えが間違っていたことに気づかされた。  Pixel 10は、洗練されたデザインを維持しながら、日常の使用体験をさりげなく、しかし確実に向上させるハードウェアの強化が加えられている。改良されたバッテリー、新しい望遠レンズ、そしてAndroid版「MagSafe」とも言える「Pixelsnap」などがその例だ。  とはいえ、このスマートフォンを際立たせているのは、「Tensor G5」チップセットによって支えられたAI機能の数々である。これらの進化がありながら、Pixel 10は前モデルと同じ799ドル(12万8900円)で販売されている。  「Made by Google」イベントで披露されて以来、筆者はPixel 10を毎日使っている。これらの進化が、以前のモデルから買い替える価値があるほど重要かどうかを見極めたいと思っている。 物足りなさを感じさせないスペック  筆者は「ゴルディロックス」のたとえが好きなのだが、これはこの製品にもぴったり当てはまる。よく作られた製品は、ユーザーに「もっと欲しい」と思わせない。Pixel 10のパフォーマンスはまさにその通りだ。  外観は前モデルと大きく変わらず、丸みを帯びた角やアルミニウム製のフレーム、そして前面・背面に採用された滑らかな「Corning Gorilla Glass Victus 2」が特徴だ。カメラバーや6.3インチの「Actua」ディスプレー、そしてわずかに増した204gの重量も「Pixel 9」をほうふつとさせるが、これらは決してマイナス要素ではない。「壊れていないなら、直す必要はない」というわけだ。  見た目こそ前モデルと似ているものの、使い込むほどに進化の違いが際立ってくる。例えば、ディスプレーはピーク輝度が2700ニトから3000ニトへと向上し、120Hzのリフレッシュレートや2424×1080の高解像度、OLEDパネルとの組み合わせによって、どんな照明環境でも鮮明で鮮やかな表示を可能にしている。  カメラバーをよく観察すると、新たに追加された5倍望遠レンズが確認できる。このレンズにより、遠くの被写体もより鮮明に撮影可能となった。カメラ機能についてはレビューの後半で取り上げることが多いが、最大20倍の「Super Res Zoom」には非常に感心した。新しいTensor G5チップセットによって強化された「Imaging Signal Processor」(ISP)の働きにより、被写体をトリミングしても細部のディテールが損なわれることはなかった。  トリプルカメラ構成は、4800万画素のメインカメラ、120度の画角に対応した1300万画素の超広角レンズ、そして新たに追加された1080万画素の望遠レンズで構成されている。前面には1050万画素の自撮りカメラが搭載されている。従来モデルと同様、このカメラシステムは鮮やかでディテールに富んだ、コントラストの効いた写真を撮影可能だ。ズーム機能の強化により、これまで望遠カメラを搭載していたProモデルと肩を並べる存在となった。  さらに、外観からはすぐに判別できないアップグレードとして、新たにマグネット式のPixelsnapが導入されている。これはiPhoneのMagSafeに似た仕組みであり、充電器やマウント、ドックなどのマグネット式アクセサリーをスマートフォンの背面に容易に取り付けられる。  実際に使用してみると、その利便性を実感できるが、気に入ったアクセサリーに出会うまでは、その価値に気づきにくいかもしれない。筆者は以前iPhoneを使用していたが、MagSafe対応のポータブル充電器なしの生活はもはや考えられない。  内部構造にも幾つかの改良が施されており、特にバッテリーに関しては、Pixel 9の24時間以上だった駆動時間から、Pixel 10は30時間以上の駆動が可能になったとGoogleは説明している。実際に使用してみたところ、執筆作業中に音楽を再生し、SNSで“無限スクロール”を行い、テキストメッセージのやりとりをする(もちろん休憩中のみ)といった通常の業務の合間でも、1日を余裕で乗り切ることができ、翌朝になってもバッテリー残量は十分に残っていた。  そして、Pixel 10における最大の注目点は、Googleの最新プロセッサーであるTensor G5チップセットである。このチップセットにより、動作速度の向上、バッテリー効率の最適化、写真撮影機能の強化など、スマートフォン全体のパフォーマンスが大幅に向上している。それだけでなく、Pixel 10に搭載された高度なAI機能の全てを支える中核的な基盤ともなっている。  Tensor G5はGoogle DeepMindとの共同設計によって開発されたプロセッサーであり、デバイス上でのAI処理に最適化されている。その結果、Googleの「Gemini Nano」モデルを完全に端末内で実行することが可能となり、ユーザーは高速な処理性能を享受できるだけでなく、データが外部に送信されないという安心感も得られる。この強力なモデルこそが、Pixel 10を際立たせる多彩なAI機能群を支えている。

ZDNET Japan
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