エールディビジ開幕3戦4発の上田綺世「お手本にするところもあった」メキシコFWとの再会へ

FW上田綺世(フェイエノールト)

 エールディビジ開幕からの3試合で4ゴール。日本代表のエースFW上田綺世(フェイエノールト)が絶好調のままアメリカに乗り込んできた。現地時間6日に控えるアメリカ遠征初戦の相手は元同僚のFWサンティアゴ・ヒメネス(ミラン)を擁するメキシコ代表。上田が「彼とは良い関係だし、楽しみ」と評するストライカーとの対決で、成長した姿を見せたいところだ。  上田は今季、エールディビジ開幕節のNAC戦で今季初ゴールを挙げると、第2節エクセルシオール戦でも得点を記録。さらに第3節が延期となった影響で2週間を経て臨んだ第4節スパルタ・ロッテルダム戦では加入後2度目となる1試合2ゴールを記録し、ここまで得点ランキング2位の4ゴールを挙げてきた。  それでも現地時間5日、報道陣の取材に応じた上田は現在の活躍を「数字はいいというか悪くはないと思う」と控えめに総括。「別に調子がいいとかそういう感覚はなく、自分が意識していること、些細なところが噛み合って数字になっている感覚。全てがうまくいっているわけではない。普段から意識していること、考えてやってきたことが結果になっていると思う」と自身の好調ぶりを冷静に受け止めていた。  もっともその冷静さにこそ、確かな手応えがにじんでいる。 「フェイエノールトに来てこの2年、プレースタイルが変わったり、求められるものが多くなったりして、1トップとして今のサッカーにどう順応していくかにずっとトライしてきて、自分なりのスタイル、自分なりにどう馴染んでいくかに少しずつ挑戦しながらやってきて、そのピースが3年目、ようやく自信を持ってプレーできるくらいにまとまってきたんじゃないかと思う」  なかなか先発定着に至らないながらも成長を模索し、シーズン終盤にチャンスを獲得して4試合3ゴール2アシストという結果で終えた1年目。UEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)で結果を残しながらも負傷離脱が続き、再びシーズン終盤に結果を出した2年目。そうしたこれまでの日々を昇華させ、エースとして期待される3年目の飛躍につなげていたようだ。  そして今回のメキシコ戦では、そんな上田の2年間に欠かせなかった選手との再会が待ち受けている。  サンティアゴ・ヒメネス。上田がフェイエノールトに加入する前年の2022-23シーズンからエースを担い、ミランに移籍した昨冬までの間、上田のポジション争いの“壁”となり続けてきたストライカーだ。上田はこの日、“サンティ”の愛称で親しまれた24歳への敬意を素直に口にした。 「彼が僕がフェイエノールトに行った1年目から、2年目の途中までFWで出ていて、結果を残していて、僕に足りないものを持っている存在としてお手本にするところもあったし、クラブからもサンティのプレーを見てこういうふうにやってほしいということもあって、彼から学ぶ部分も多かった。その中で考えながら自分のスタイルを見つけようとしてきた。彼と同じようにやっているわけじゃないし、逆に自分の中で彼ができないことはなんなのか、自分にしかできないことはなんなのか、同じようなプレーでも自分なりのスタイルを見つけるところにフォーカスしてやってきた。いまはそれなりに結果を残せることもあるなかで、そこでまた一緒にやれるのは良かった」(上田)  そのサンティアゴ・ヒメネスだが、今夏のCONCACAFゴールド杯で調子が上がらず、FWラウール・ヒメネスに序列の面で後れを取っている状況。ただ、今季のセリエAでは出場が続いて調子を上げているとみられ、日本戦では“Wヒメネス”の2トップ起用が予想されるなか、高いモチベーションで臨んでくることが想定される。  上田は「日本代表にどのようなプレーをするのか見られたら楽しみ」と目を輝かせつつ、チームとしての取り組みにもフォーカス。「自分たちが掲げている戦術をまずやってみて、どれくらい通用するかとか、新しい課題を拾うことがいまは一番大事。明日の試合に全力でぶつかって、格上の相手とどれくらい戦えるかを確認できる機会になる」と意気込んだ。 (取材・文 竹内達也)●2026ワールドカップ(W杯)北中米大会特集

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