ドル上げ拡大、主要決算や統計を意識-円は1月27日以来の安値に下落
19日のニューヨーク外国為替市場では、ドルが主要10カ国(G10)通貨全てに対して上昇。円は対ドルで下げを拡大し、一時157円台と1月下旬以来の安値を付けた。日本銀行の植田和男総裁と片山さつき財務相、城内実経済財政担当相による3者会談後、円を売る動きが強まっている。
関連記事:日銀総裁と経済閣僚会談、市場動向注視を確認-会談後に円安進む
一方、米労働統計局(BLS)が10月分の雇用統計を発表しないと明らかにしたことを受け、市場では12月連邦公開市場委員会(FOMC)会合での政策金利据え置き観測が強まった。米連邦準備制度理事会(FRB)の政策動向に連動するスワップ取引では、12月会合での利下げ織り込みが6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)にとどまっている。
米東部時間午後2時に公表された10月28-29日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、多くの当局者が年内は政策金利の据え置きが適切である可能性が高いとの意見を示していた。
関連記事:FOMC議事要旨:「多くの」当局者が12月利下げに否定的な姿勢 (1)
市場では、米政府閉鎖の影響で発表が遅れていた9月雇用統計(20日発表)への注目が高まっている。
この日は、当初10月7日に予定されていた8月の貿易収支が発表された。輸入額は5.1%減少と、4カ月ぶりの大幅な落ち込み。財とサービスを合わせた貿易赤字は596億ドルと、前月から24%近く縮小した。
関連記事:8月の米貿易赤字は縮小、輸入が4カ月ぶり大幅減-関税発動で
ウェルズ・ファーゴのストラテジスト、アループ・チャタジー氏は「米国の輸入需要の弱さが世界経済の成長を抑制する要因になることが確認された」ことも、ドル押し上げ要因になっていると指摘した。
今後の予定では、 9月の米小売売上高統計が11月25日に、9月の米耐久財受注統計は翌26日にそれぞれ公表される。
パイオニア・インベストメンツのパレシュ・ウパダヤ氏は相場の動きについて、「為替市場のセンチメントに影響を与えているのは、英国と日本の財政をめぐる動向だと考えている」と述べた。
円は対ユーロでも下落。TJMヨーロッパの為替セールス・トレーディングのマネジングディレクター、ニール・ジョーンズ氏は「ユーロは対円で上昇し、われわれが節目とする180円に達した。欧州中央銀行(ECB)が次に動くとしたら利上げ、日銀は2025年は利上げしないだろう。この先、さらなる上昇余地があるとみているが、その多くはドル・円相場に連動した展開となるだろう。2026年は円の年になるどころか、個人的には逆の展開を予想している」と述べた。
原題:Dollar Rises to Highest in Two Weeks Ahead of Jobs: Inside G-10、Dollar Extends Gains Ahead of Earnings and US Data: Inside G-10、*USD/JPY EXTENDS GAIN, UP 0.5% TO 156.25, HIGHEST SINCE JAN. 27
(抜粋)