シティ、米国株の投資判断引き下げ-米国例外主義は一服、中国株有望

シティグループは、米国株の投資判断を「オーバーウエート」から引き下げ「ニュートラル」とした。米国例外主義は少なくとも一時休止状態にあるとして、中国株を「オーバーウエート」に引き上げた。

  シティは2023年10月以来、米国株を「オーバーウエート」としていたが、マクロ調査・資産配分グローバル責任者、ダーク・ウィラー氏は、米国株の優位性が失われる傾向がより明白になってきたとリポートで指摘した。

  一方、中国株については、DeepSeek(ディープシーク)の人工知能(AI)技術の画期的な進歩、政府によるテクノロジーセクターへの支援、依然として割安な株価を踏まえ、最近の急騰後も魅力的だとの見方を示した。

  「今後数カ月は、米経済に関するニュースが世界経済のニュースより低調な可能性が高い。少なくとも戦術的には、米国例外主義が力強く復活する可能性は低いだろう」とウィラー氏は記述。米国株のニュートラルの判断は3-6カ月の期間についてだと付け加えた。、米国からさらにネガティブなデータが発表されるだろうとも予想した。

  最近の米株急落は、とどまるところを知らないように見えた米経済の回復力に対する懸念の高まりを示している。トランプ米大統領が始めた貿易戦争や歳出削減、そして同大統領が景気後退の可能性を排除しない姿勢が、そうした懸念を深めている。

  ウィラー氏とチームは昨年11月、「米国例外主義はウクライナ戦争の終結によりリスクにさらされる可能性がある」が、「そのためのポジションを構築するのは時期尚早だ」と論じていた。中国政府の刺激策の可能性にもかかわらず「中国株のアウトパフォーマンスを見込むポジションを構築するにはまだ早過ぎる」とも主張した。

  現在は、米資産からのシフトを加速させる、より安価で優れた代替選択肢が登場している。中国のAIスタートアップ企業、ディープシークの台頭は、米国の技術的優位性に疑問を投げかけ、ドイツが大幅な歳出増を計画していることは、欧州の財政政策の転換点として歓迎されている。

  HSBCホールディングスのストラテジストも10日、米国株の投資判断を「ニュートラル」に引き下げた。「今は他国の方がより良い投資機会がある」と説明。また、ユーロ圏の財政刺激策が「状況を一変させる可能性がある」として、英国を除く欧州株を「アンダーウエート」から「オーバーウエート」に引き上げた。

原題:Citi Cuts US Stocks, Raises China on Pause in US Exceptionalism(抜粋)

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