一進一退、上値の重さと下値の堅さが共存=来週の東京株式市場
11月29日、来週の東京株式市場はレンジ内での一進一退の値動きが想定される。写真は2020年10月、東京証券取引所前で撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)
[東京 29日 ロイター] - 来週の東京株式市場はレンジ内での一進一退の値動きが想定される。トランプ次期米大統領の発言に対する警戒感に株価の上値を抑えられやすい一方で、経済指標や要人発言で日米の金融政策の手掛かりが示される可能性があり、内容次第で下値は堅くなるとみられている。
日経平均の予想レンジは3万7500円─3万8900円台。
来週は国内で10月の毎月勤労統計調査、米国で11月の米供給管理協会(ISM)製造業・非製造業景気指数と雇用統計が公表されるほか、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事、パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長らの発言機会が予定されている。
FRBが26日公表した議事要旨によると、11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では多数の参加者が時間をかけて利下げを行うことが適切との認識を示していた。 もっと見る 。来週はブラックアウト(対外発言禁止)期間入り前にウォラーFRB理事の発言が注目されており、市場では「来年の利下げ見通しについて、議事要旨に沿ったハト派な発言となれば、マーケットは再び円安・株高で反応するだろう」(信託銀行エコノミスト)との見方があった。
大和証券の末広徹チーフエコノミストは、11月のISM製造業・非製造業景気指数に注目している。「11月のISMは米大統領選後の数字となるため予想がしづらく、上にも下にも触れるリスクがある」といい、米国の景気動向が注目される中、サプライズとなった場合は一時的にボラティリティ(価格の変動率)が高まる展開も想定される。
このほか、来週は世界半導体市場統計(WSTS)が2024年秋季半導体市場予測を発表する。半導体関連株の低迷が続く中、需要増加が示された場合は株価に好材料となりそうだ。
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