NY市場サマリー(30日)ドル上昇、株価大幅続落 国債利回り低下

<為替> ドルが幅広く上昇し、2年ぶりの高値付近を維持した。一方、日本円は対ドルで5カ月ぶりの安値から小幅上昇した。

市場は米連邦準備理事会(FRB)が来年利下げ幅を縮小するとの見通しを引き続き織り込んでいる。

ドル指数は0.1%上昇の108.08。今年は6.6%上昇する基調にある。12月20日には2年ぶり高値の108.54を付けていた。

円は日米間の大きな金利差の影響を受けており、ドル/円は年間で11.4%上昇。これは4年連続の上昇となる。この日終盤は0.51%安の157.02円だった。

シティ・インデックスの市場アナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「目標を上回るインフレが2024年の大半にわたって続く中、円安がさらに進めば物価上昇圧力がさらに高まる可能性がある。自国通貨を支えるため、日銀はより大幅な利上げを開始することを望むかもしれない」と述べた。

トレーダーらはまた、円安が続いた場合に日本の当局が介入する可能性にも注目している。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは0.17%下落して9万4222ドルとなった。年間では約122%急騰している。

NY外為市場:

<債券> 株安を受け債券市場に資金が流入し、国債利回りが低下した。

終盤の取引で10年債利回りは7.2ベーシスポイント(bp)低下の4.549%。1日としての低下幅は11月25日以来の大きさとなった。

ブリン・マウアー・トラストの債券部門ディレクター、ジム・バーンズ氏は「債券市場は株式市場の影響を受けている」とし、「株式市場で利益を確定させ、その資金を債券に振り向ける動きが出ている可能性がある」とし、「ここ数週間の利回りの上昇を踏まえると、債券市場は魅力的になっている」と述べた。

10年債利回りは12月6日に約5週ぶりの低水準を付けた後、約40bp上昇している。

この日は短期債利回りも低下し、2年債利回りは7.4bp低下の4.252%。1日としての低下幅は約5週ぶりの大きさとなった。

米金融・債券市場:

<株式> 薄商いの中を大幅続落して取引を終えた。主要3指数は序盤の安値からは回復したものの、それでも0.5%以上下落した。

この日は幅広い売りにより、S&P500の主要11セクター全てがマイナス圏に落ち込んだ。S&P一般消費財(.SPLRCD), opens new tabは1.6%下落した。

最近の下落にもかかわらず、2024年通年では米国株は大きく上昇した。ナスダック総合は30%、S&P500は24%、ダウ工業株30種は13%以上上昇する基調にある。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインの下落により、マイクロストラテジー(MSTR.O), opens new tab、コインベース(COIN.O), opens new tab、MARAホールディングス(MARA.O), opens new tabなどの仮想通貨関連株は3.8─8.2%下落した。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.81対1の比率で上回った。

ナスダックでは値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.72対1の比率で上回った。

米取引所の合算出来高は144億8000万株。直近20営業日の平均は147億5000万株。

米国株式市場:

<金先物> 薄商いの中を売りが優勢となり、続落した。中心限月2月物の清算値(終値に 相当)は前週末比13.80ドル(0.52%)安の1オンス=2618.10ドル。クリスマスや年末年始に伴う休暇のため市場参加者も少 なく、商いは薄かった。

NY貴金属:

<米原油先物> 閑散商いとなる中、米欧での気温低下予報を背景に石油製品の需要が拡大するとの観測が広がり、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月2月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.39ドル(0.55%)高の1バレル=70.99ドル。

NYMEXエネルギー:

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