【山田祥平のRe:config.sys】斜めがけラブルフォームファクタとその持ち運び
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人類が1日のうちでもっとも長い時間使うであろうスマートデバイスがスマホであることは間違いない。そして、この先の四半世紀は、その中にAIが棲みつき、より頻繁にスマホを介してAIと対話することになる。かつて電話は遠くにいる人間とコミュニケーションするためのものだったが、今後はAIとコミュニケーションすることの方が多くなるかもしれない。そのためには持ち運び方法も変わらなければならない。
実用的な画面サイズを持つスマホは、ポケットに入れて持ち運びするにはちょっと大きく重い存在だ。だから、最近は、長いストラップを使って斜めがけしている姿をよく見かける。これなら落とすこともないし安心だ。個人的にもずっとスマホは裸派だったが、ここ数年はすっかり斜めがけ派に転向してしまった。ショルダーストラップ、肩がけストラップなど呼び名はいろいろだが、とにかくラクチンだ。
そんな中で、例年通り、AppleからiPhone 17シリーズが発表された。なぜ、「iPhone Air」はiPhone 17 Airではないのかと思ったりもしながら発表会のライブを見ていたのだが、その中で目に留まったのがクロスボディストラップというアクセサリだ。しゃれた名前だが、要するに斜めがけストラップのことのようだ。
現物を見たわけではないので、詳細はよく分からないのだが、少なくとも、iPhoneを体に斜めがけして移動できる長いストラップのようだ。
ストラップの斜めがけをする時は、スマホ本体側に2つのストラップホールがないと、一点で支持することになってしまい、移動中にスマホがクルクル回転してしまうなど、ちょっと扱いづらかったりする。いろんな方法を試してきたが、最終的には、アクセサリ大手のトリニティの製品に落ち着いた。同社のケース製品の多くは、下部両側に1つのストラップホールが装備され、2点でぶら下げることができるからだ。
ここにきてAppleがiPhone用の斜めがけ用ストラップと連携ケースやバンパーアクセサリを用意するというのは、もう、スマホはポケットに入れて持ち運ぶものではないといいたいのではないかと勘ぐってしまった。
ちなみに、「iPhone 17 Pro」は206g、iPhone Airは165g、「iPhone 17」は177gとなっていて、たとえば発売されたばかりのGoogleの「Pixel 10」シリーズと比べると軽く感じる。「Pixel 10」は204g、「Pixel 10 Pro」は207g、「Pixel 10 Pro XL」が232gとなっている。すべてが200gを超える。個人的には200gを超えるとどうしても斜めがけしたくなってしまう。
Pixel 10シリーズについてはQi2ワイヤレス充電に対応したことで、ケースやストラップの付け方のバリエーションが拡がった。というのも、iPhoneと同様に、スマホ本体がマグネットでくっつくようになったためだ。
これでワイヤレス充電器に載せたスマホが、朝起きると必ず位置がずれていて充電ができていないというAndroidユーザーの悩みがなくなる。とはいえ、Qi2は15W充電に対応しているが、この時代、地球温暖化が懸念され、CO2排出が話題になっているのに、わざわざ効率の悪いワイヤレス充電をしていいのかどうかという悩みもある。
Pixel 10 Pro XLとその純正ケースの組み合わせを試していて気がついたのだが、スマホ本体には、確かにマグネットが内蔵され、合わせたい位置にピタリとくっつくようになっている。
一方、ケースはケースで、スマホ本体に内蔵されたマグネットの磁気を増幅するような仕組みが実装され、ケースをつけるとより強力に磁力保持されるようになる。
ここに目をつけてみた。
AmazonやAliExpress、Temuなどのショッピングサイトで探してみると、予想通り、マグネットでスマホにくっつくストラップホルダーが見つかった。気になったので、いくつか買ってみた。価格は1,000円前後でばらつきはあったが、届いた製品を見ると、付属品やストラップの意匠などが多少異なるものの、ホルダーはすべて同じ物のようだ。これにストラップをつけて、スマホの背面にくっつけると、立派な斜めがけホルダーができあがる。
スマホの裏側の素材は、わりとツルツルしているので、いかに強力なマグネットであってもすべって外れる危険性はある。マグネットの磁力の強さも気になる。なんらかの方法で磁力を増強する仕組みを持ったケースを使うのが現実的だ。
そしてできあがったのが、冒頭の写真のような運用だ。
もちろん強く引っ張ると外れてしまうのだが、走ったりするような動作をする程度なら大丈夫そうで、事故が起こったときには自己責任だとしても、もう、この方法に乗り換えてしまってもいいかなと思っている。
斜めがけでは、常にスマホが体にくっついているという安心感がある。でも、最近は決済やポイ活のためにスマホのバーコードをリーダーに読み取らせる機会も増えてきていて、あと数cmストラップが長ければいいのにと思うこともよくある。
先のトリニティは、昨年(2024年)、発売日に完売したショルダーストラップの素材を、ちょっとリニューアルした製品として再登場させた。簡単に長さが調整でき、そして、ゴム的な素材でちょっと引っ張ればちょっと伸びる。これが、カメラでの撮影にも、移動するにも、センサーにバーコードを読ませるにも便利なのだ。
この便利さに加えて、マグネットでストラップを保持するようになって、スマホをストラップから解放するのも簡単だということに気がついた。ずっとストラップをつけっぱなしにするのではなく撮影時だけ、リーダーに読み取らせるときだけストラップからスマホを外すような運用がラクにできるようになったのだ。
これまではそういう使い方をしようとは夢にも思わなかった。
そこに前述のAppleによるクロスボディストラップの登場を目撃した。スマホケースのフォームファクタにちょっとした変化の兆しである。