ダークエネルギー、弱体化?新データが示唆する「宇宙の終わり方」(ギズモード・ジャパン)
900人もの研究者が関与している国際的な取り組みであるDESI(The Dark Energy Spectroscopic Instrument)が、新たなリリースを発表。その中で、これまでの「ダークエネルギー」の概念を根本から変える仮説を立てています。 「ダークエネルギー」は、これまた未知の物質である「ダークマター」と同じく、不可視の存在として認識されてきました。 「ダークマター」は全宇宙の質量のうち、27%を占めていると考えられている一方で、私たちが観察できる物質(目に見えているもの)は、わずか5%ほど。そして、残りの68%が「ダークエネルギー」である、とされています。 しかも、この性質は100億年前から現在まで一貫しており、さらに100億年後も変わらないだろうというのが、これまでの通説でした。 DESIの調査に関わるクイーンズランド大学の物理学者、Rossana Ruggeri氏は、この通説が「ラムダCDMモデル」という現在支配的な宇宙モデルに「織り込み済み」のものだといいます。 今回のDESIの発表ではその通説を覆す仮説が盛り込まれています。ダークエネルギーは時間とともに性質が変化し、宇宙の膨張を加速させるか、逆に収縮を引き起こす可能性がある、というのです。ダークエネルギーの強度が過去45億年で約10%減少した可能性があるという報告もあります。
The Conversation誌で、Ruggeri氏は「ダークエネルギーが時間とともに変化しているのであれば、“宇宙の結末”に深刻な影響を与える可能性もあります」と説明しています。 「ダークエネルギー」は宇宙の加速膨張を引き起こしていると以前から考えられていましたが、今回提示されたデータはその逆に、収縮を引き起こす可能性もあることを示唆しています。 もし今回の仮説が正しければ、「ダークエネルギー」によって宇宙が収縮しつづけ、1点に集まり消えてしまうという宇宙の終末論の1つ「ビッグクランチ」が起きる可能性も理論的にはあります。 今回DESIから発表されたデータは5ヵ年にわたる宇宙調査の最初の成果として公開されました。1870万もの宇宙天体に関する情報が含まれており、そのデータ容量は270テラバイトにもおよんでいますが、それでもまだまだほんの一部。 現在、DESIの5ヵ年調査はまもなく4年目に差しかかり、調査が終わる頃には5000万以上の銀河やクエーサーの記録を取ることができるそう。 この調査が終われば、「ダークエネルギー」に関する仮説もよりブラッシュアップされるはず。もしかすると、宇宙の謎のひとつが解明される可能性もあります。 Reference: Nature
竹田賢治