電車でスマホを覗き込んでくる女性…“見えにくい角度”に画面を傾けたら、驚きの一言が(週刊SPA!)

 佐久間彩さん(仮名・20代)は、学校帰りに電車に乗っていた。地方の路線で混雑はそれほどでもなく、座席に座ってスマートフォンを見ていたという。 「友人とのメッセージを見たり、音楽を選んだり。いつも通りの帰宅時間でした」  しかし、ふと視線を感じて顔を上げると、立っていた60代くらいの女性が横目でスマートフォンの画面を覗き込んでいた。 「気のせいかもしれないと思いましたが、画面をスクロールするたびに女性の視線が動くのがわかりました」  不快に感じた佐久間さんは、スマートフォンを少し傾けて“見えにくい角度”にした。すると、その女性が突然……。 「私、何もしてませんよ!」  その言葉に、周囲の乗客の視線が一斉に集まった。狭い車内で注目を浴び、佐久間さんは驚きと困惑で言葉を失ったそうだ。

 女性はさらに、「あなた、私が見てると思ってスマホ傾けたでしょ」と言い放ったのだ。佐久間さんは、「そんなつもりはありません……」とだけ答えた。 「本当は、『見ていましたよね』と言いたかったのですが、反論すれば空気がさらに悪くなる気がして、何も言えませんでした」  女性はその後、何事もなかったかのように立っていた。佐久間さんにとって、目的の駅までの時間が異様に長く感じられたそうだ。  そして、電車を降りてようやく緊張が解けると、じわじわと怒りが湧いてきたという。 「自分は何もしていないのに、まるで“悪者”扱いされた理不尽さや周囲の視線の重さは、今でも忘れられません」

 井上真琴さん(仮名・30代)は、平日の朝、仕事に向かうために始発電車を待っていた。始発とはいえ利用者は多く、並ぶ位置によっては座れないこともある路線だ。  その日、井上さんは列へ早めに並び、“じゅうぶんに座れるはずの順番”を確保していたという。そして、電車が到着し、乗客が次々に乗り込んでいった。 「私は席を見つけて座ろうとしたんです。その瞬間でした。すでに座っていた年配の女性が、私の目の前の座席に荷物を置いたんです」  一時的に置いただけかと思い少し待っていたのだが、やがて別の年配女性がゆっくりと乗り込んできたそうだ。 「そしたら、荷物を置いていた女性が笑顔で『おはよう』って声をかけて、荷物をどかしました。その席に、後から来た女性が“当たり前のように”座ったんです」  目の前で座席を確保され、井上さんは呆然。他の席はすでに埋まっていたため、ドアの横に立つしかなかったという。


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 その後、2人は楽しそうに会話を続けた。井上さんは、腹立たしさよりも、なんとも言えない虚しさを感じたようだ。 「言葉も出ませんでした。でも、こういう卑怯な座り方を見ると、譲り合いの気持ちがなくなってしまいます」  これまで井上さんは、お年寄りや身体の不自由な人には、積極的に席を譲ってきた。だからこそ、今回の出来事はショックだったそうだ。 「私もいつか年を取るけど、あんなふうにはなりたくありません。ちゃんとルールを守って、常識のある大人でいたいと心から思いました」  電車では個人のマナーが大いに問われる。だが、不快に感じても声をあげにくい空気があるのは事実だ。自分の何気ない行動が周囲の迷惑になっていないか、あらためて意識する必要があるだろう。 <取材・文/chimi86> 【chimi86】 2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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